学びの創造 | たなか文代 宇部市議会議員 Official Blog

学びの創造

気がつけば5月も今日が最終日、明日からは6月ということで、今年ももう半分が過ぎ去ろうとしています。「それにつけても金の欲しさよ」と並ぶ「それにつけても時の早さよ」です。(何のこっちゃ。) 昨夜は犬の散歩がてら主人と近所にホタルを見に行きました。天候や時間帯のタイミングがうまく合ったのか、良く飛んでいました。人ごみや車のライトや携帯画面の灯りも無く、カエルと虫の声だけが響く中のホタル観賞です。夕食後に歩いてホタルを見に行けるところに暮らせるなんて、それだけでも人生の豊かさを感じるのは私だけでしょうか。

さて、宇部市教育委員会が進める学びの創造推進事業の一環である公開授業研究会が今年も始まりました。市内小・中学校が全市的に授業を公開し、授業後にアドバイザーの先生の元で研究協議を行うもので、今日は今年度の初日、黒石中学校で国語の公開授業研究会が行われました。今年度予定されている研究会は今日から2月8日まで合計45回。市議会の文教民生委員会に所属する議員は教育委員会から議会事務局を経由して事前に案内をもらい、自分で教育委員会に参加申し込みをすることになっており、授業の部分は見学できますが、研究協議の部分は参加できません。以前にもこの話題をブログを書いたことがあったと思いますが、私にとっては本市の教育の一つの方向である「学び合い」の進捗状況を現場で確認できるとても貴重な時間となっています。と口では言いますが、実際には私は教育者ではないので「学び合い」そのものを深く理解しているわけではありません。ただ、授業に臨む先生や児童・生徒たちの姿から自分なりに何かを感じ取っているといったところです。

今日の公開授業研究会で私が一番顕著に感じたのは授業の内容はさておき、参加されている先生方の授業への向き合い方が変わってきたということです。ひとこまの授業という限られた時間の中で、多くの先生方がじっと生徒の反応を観察し、「学び合い」の深まり方を吟味している感じが伝わってきました。残念ながらまだ「学び合い」に半信半疑で「こんなことやっても。。」という態度が垣間見られる先生もおられます。が、私が公開授業研究会の見学を始めた3年前に比べれば、その数は格段に減りました。アドバイザーの先生の指導によって「学び合い」の授業ができる先生がふえてきていること、その結果、児童・生徒が伸びてきていること、そして児童・生徒の成長が先生たちを目覚め、育てていること。ようやく本市の教育は負のスパイラルを抜け出してきているのではないかと感じるところです。

が、これはあくまでも授業という限られた時間だけでのことで、実はもっと家庭や地域そして職場としての学校が、機能してゆかなくてはならない、果たしてゆかなければならない役割は大きいです。市内小・中学校には、今年度公開授業研究会を3回予定しているところもあれば、1回も予定していないところもあります。授業を公開することで初めて自らの姿に気がつくこともあると思いますし、もし公開授業研究会を行わない理由が「そんな余裕は無い」ということであるなら、その学校の教育の質はおのずと知れようというものです。「学び合い」だけでなく本市はコミュニテイスクールの取り組みを進めているところですが、これも「そんなことやっても・・・」という関係者が学校を含めて地域に多ければ多いほど、無駄に失われてゆく子どもたちの時間は大きいと考えます。

なんだかまた固い話になってしまいましたが、最後にもう一つ。本日消費税増税の延期が自公容認ということではっきりと公になりましたが、安倍首相は前回増税を先送りした際に「再び延期することはない」と言明しています。つまり、今回増税を延期するということは、あの言葉は嘘だったということで、私たちは国家責任者が嘘をつく国に暮らしているということです。明日の夕刻(だったかな?)に増税延期について首相が(良く聞く言葉ですが)説明責任を果たされるおつもりらしいので、たぶん官邸では今躍起になってその原稿を作っているところだと想像しますが、悲しい話ではあります。対外的には国としての信用を一気に落とす結果になり、そうまでしても延期せざるを得ないという苦渋の選択であったことは理解するとして、まずは嘘をついたことを謝って欲しいと思います。日本で生まれ、学びつつある子どもたちに。