「あなたは教師失格です!」「卒業したら終わりですか!」中1、2の時に担任した子の母からの苦情! | 元中学校教師が教える学校のウラ話

元中学校教師が教える学校のウラ話

公立の中学校で25年間、勤務していた私が「クラス替えの仕方」「修学旅行」「部活」「未納」「モンスターペアレント」「学級崩壊」「いじめ」「不登校」「人事異動」など、今まで話すことができなかった、学校のウラ話をお伝えしていきます。

高校で不登校になってしまった子の対応も中学校の担任がするの?



1.先生から暑中見舞いは来る?来ない?
2.小学校時代に不登校になってしまった子の担任に!
3.中学3年間、不登校に戻らず高校へ進学!
4.隣市の学校に転勤!生徒指導主事として対応にあたる!
5.「何で暑中見舞いの1つもくれないの!!」(卒業生の母)
6.高校で不登校に戻ってしまった女の子!
7.教え子の高校での状態を知らないから対応できない!
8.「卒業したらそれで終わりですか!あなたは教師失格!」(卒業生の母)
9.相談にのると書いて手紙をだしたが・・・
10.卒業生にも暑中見舞いを出して相談しやすい環境をつくる!



1.先生から暑中見舞いは来る?来ない?

現在、お子さんがいる親御さんは、子どもの担任の先生から暑中見舞いが送られてきますか?

また、このブログを読んで下さっている方は、自分が小学生や中学生だったときに、担任の先生から暑中見舞いは送られてきましたか?

30年前。

私が教員になったとき、主任から暑中見舞いの意義についてこのように教わりました。

「長い夏休みの中、暑中見舞いをみることで学校のことを思い出す。」
「そうすると宿題を思い出してやったり、気持ちが新学期に向かったりする。」
「問題行動を起こす子も、暑中見舞いを見て、先生が気にかけてくれていることを知る。」
「教師が子どものことを気にかけていることを伝えるために、暑中見舞いはだすんだよ!」

ただ、徐々に担任の意志を尊重するという流れになって、暑中見舞いや年賀状は担任の裁量に任せられることになりました。

30年前は、暑中見舞いが学校から配布されていましたが、20年程前からは自腹でハガキを買うことが当たり前になっていきました。


2.小学校時代に不登校になってしまった子の担任に!

始めて不登校と言われる子どもの担任をしたのは、30才の頃でした。

登校拒否(ヤンキー系の子が学校に来ない)の子どもは、何度か担任をしていましたが、いじめや人間関係で学校に来られない子どもを担任したのは、その時が初めてでした。

彼女は、小学校6年生で不登校になってしまったのですが、中学1年生の時に私のクラスで不登校から復帰します。

その後、中学2年生の時も私のクラスだっため不登校に戻ることはありませんでした。

中学の2年間、安定した学校生活を送れたため、彼女は中学3年生で、私のクラスから離れることになりました。

その学校には不登校を量産する先生が多くいたため、前年に不登校になってしまった子どもを2人ほど、私が担任することになったからです。


3.中学3年間、不登校に戻らず高校へ進学!

3年の担任ではなくなりましたが、授業を教えていた私は、定期的に彼女に声をかけていました。

彼女の方から、私に相談に来ることも何度かありました。

もちろん、担任がメインになってもらいたかったということもあり、彼女の了承を得て、担任に相談をつないだりもしました。

もともと勉強ができるほうだったこともあり、彼女は希望校(進学校)に合格することができました。

そして、不登校に戻ることなく中学校を卒業していきました。


4.隣市の学校に転勤!生徒指導主事として対応にあたる!

彼女たちが卒業したと同時に、私は隣市の学校に勤務となりました。

その学校は、地域でそれなりに評判の悪い学校でした。

私は、その学校に生徒指導主事として回されたのです。

また、中学1年生の担任にもなりました。

そして前任校と同様に、小学校の頃から不登校になってしまった女の子を担任することになったのです。

新しい学校で、生徒指導主事ととして他学年の問題行動の支援を行いながら、自分のクラスの運営を行い、不登校の子どもの対応もしていました。

幸いな事に、徐々に学校は落ち着いていき、私のクラスの不登校の子どもは教室に戻ってきていました。


5.「何で暑中見舞いの1つもくれないの!!」(教え子の母)

その年の夏休みの後半。

私が職員室で仕事をしていると、彼女(前任校で不登校だった女の子)のお母さんから、突然、電話がかかってきました。

私が電話に出ると、お母さんは怒ってこう言います。

「何で暑中見舞いの1つもくれないんですか!」
「電話の1本でも良いのに!」
「娘は、先生からの連絡を待っていたのに!」


6.高校で不登校に戻ってしまった女の子!

なぜ怒られているのかわからなかった私は、お母さんに理由を聞きます。

すると、お母さんは怒鳴りながらこのように言いました。

「娘は高校で友達をつくることができなかったんです!」
「それでもガンバって登校し続けていました!
「でも、ついに力尽きてゴールデンウイーク明けから、学校に行けなくなったんです!」

どうやら、高校で不登校になってしまったようです。

「娘は、先生(私)に相談をしたいと言っていました。」
「先生なら、中1の時のように声をかけてくれると思っていたんです!」
「私も、先生からの連絡を待っていました。」
「でも、先生は電話の1本も、暑中見舞いもくれなかったですよね!」
「さっき、娘はこう言いました。」

『先生に見捨てられた・・・・。』
『私はダメだ・・・・。』


7.教え子の高校での状態を知らないから対応できない!

正直、私はパニックになりました。

彼女が高校で友達が出来ていなかった事も知りませんし、不登校に戻ってしまった事も知らなかったからです。

前任校に勤務していれば、そんな情報も入って来たかもしれませんが、その時の勤務校は隣の市です。

正直、前任校の卒業生とは全く会っていない状態でした。

私は、お母さんにこう言ってみます。

「娘さんの状態を知らなくてすみませんでした。」
「ただ、○○市に勤務しているので、情報が全く入ってこないんです。」
「お母さんが、様子を教えて下されば、少しはお手伝いができたのですが・・・・。」
「今は、○○中学校で生徒指導主事もしていますし、自分のクラスの不登校だった子の対応もしています。」
「申し訳ありませんが、ご連絡をいただかないと対応することはできません。」


8.「卒業したらそれで終わりですか!あなたは教師失格!」

これを聞いたお母さんは、怒鳴り声でこのように言って電話を切りました。

「卒業したら、それで終わりですか!」
「あなたは教師失格です!」
「教育委員会に訴えます!(ガチャン)」

私は、そんなに心が広くないので、正直、このように思ってしまいました。

『卒業したら終わりだよ!』
『連絡をくれれば、出来る範囲で手伝うことはあるけど・・・。』
『悪いけど、今のクラスの子どもが一番大切だよ!』
『って言うか、中3の担任に連絡してよ!』
『その学校を選ぶ相談をしたり、その学校と本人の適性を一緒に考えたのは○○先生でしょ!』
『こっちは、中1と中2の担任だっつうの!』


9.相談にのると書いて手紙をだしたが・・・

最初は、イライラしてしまった私ですが、冷静になって彼女のことやお母さんの事を考えると、そのままにしてはおけません。

私は相談にのる旨の手紙を書いて、彼女の家に送りました。

しかし、彼女からもお母さんからも返事がなかったため、彼女がどのようになったかは知りません。

(成人式では、20才の時点で通信制の高校に通っているとの情報がありました。)


10.卒業生にも暑中見舞いを出して相談しやすい環境をつくる!

それ以降、私はこのような対応をとることにしました。

「中学3年生の担任をした翌年は、暑中見舞いを80枚買う。」

内訳はこのようなものです。

その年の自分のクラスの子供用:40枚
前年度、自分のクラスだった卒業生(高校1年生)用:40枚

そして、前年度、自分のクラスだった卒業生には、このようなコメントを書くようにしました。

「元気ですか?」
「高校はどうですか?」
「何かあったら、気にせず連絡下さいね!」

 

このブログは、筆者の経験を元に作成しています。ただし、個人情報や学校が特定ができないように事例を変えて作成しております。掲載している情報により生じたいかなる損害に関しても、筆者が責任を負うことはできません。