小さいけど「学校の荒れ」の原因となる対応②
1.気づいたら荒れている学校の生徒指導主事になっていた
2.宿題を厳しくすると不登校が増える?
3.宿題をできるようにするにはどうする?
4.期限は守らなくていいの?
5.宿題の提出と「荒れ」や「学級崩壊」の関係
6.先生の心理
7.真面目な子供の心理
8.付和雷同生徒
9.良い事は褒め、悪い事は怒る!
10.夏休みの宿題の対応方法
11.あなたのお子さんの学校は大丈夫?
→「あなたの子どもの学校の夏休みの宿題の対応は?」これで分かる学級崩壊の可能性!①
1.気づいたら荒れている学校の生徒指導主事になっていた
A中学校は、地域でも「荒れている」と評判の学校でした。
学級崩壊しているクラスも多く、その近辺の学校に勤務している先生たちが、誰1人として勤務を希望しない学校でした。
私は、A中学校に甥っ子と姪っ子がいたため、絶対にA中学校への移動はないと勝手に思い込んでいました。
しかし、気づいたときには私はA中学校の生徒指導主事になっていました。
文句を言っても仕方がありません。所詮、サラリーマンです。
私は気持ちを切り替え、生徒指導主事として、A中学校の「荒れ」や「学級崩壊」をなくすべく、本気になりました。
私は荒れている学校について、経験上このように思っています。
「荒れているのは教師のせい!」
「子どもは教師によって、良くも悪くもなる!」
私は最初の職員会議で、資料の隅から隅までじっくり目を通します。すると案の定、職員会議の資料の中に「学校の荒れ」や「学級崩壊」の原因となる部分をいくつか見つけることができました。
その1つが、学習指導部から提示されいたこのような文章です。
「長期休業明けの宿題は、2週間後までに提出するように促す。」
2.宿題を厳しくすると不登校が増える?
この文章は何がいけないのでしょうか?
こうおっしゃている先生もいました。
「宿題を厳しく取り締まると、不登校の子が増えてしまう。」
「これくらい余裕があるくらいのほうが良いのでは?」
もし本当にそう思うなら、不登校の子には宿題を出さなければいいのではないでしょうか。
もしくは、最初から不登校の子どもにこう言えば良いのではないでしょうか。
「君は不登校だから宿題はやらなくていいよ!」
「登校することが大切だからね!」
もちろん、不登校の子どもにこう言う先生はいません。
3.宿題をできるようにするにはどうする?
私の発想は、この先生方とはまったく逆です。
もし宿題のせいで不登校が増えてしまうのなら、不登校の子が宿題を提出できるようにするにはどうすれば良いのかを考えるからです。
「夏休みに家庭訪問をして、一緒に宿題をやろうかな?」
「学校に来れるなら勉強会を開催しようかな?」
「宿題が終わっていれば、負い目なく登校できるな!」
4.期限は守らなくていいの?
また、このように言っていた先生もいました。
「夏休みの終わる数日前に慌ててやっても意味がない。」
「それなら、じっくりやらせた方が本人の為になる。」
確かにその通りです。
でもそれなら、夏休みが始まってから、毎日、やるほうが良いのではないでしょうか?
夏休み中はサボらせて、夏休みが終わってからじっくりやらせると、子どもの学力は上がるのでしょうか?
一人ひとりの進度を先生たちが考えて、一人ひとりにあった宿題を、先生たちが出せば良いのではないでしょうか?
ただ、このような話をすると、先生たちは決まってこう言います。
「そんなことはできない!」
「多忙でそこまでやることはできない!」
「超過勤務が増える!」
5.宿題の提出と「荒れ」や「学級崩壊」の関係
「長期休業明けの宿題は、2週間後までに提出するように促す。」
本題に戻って、なぜ、この文章が「荒れ」や「学級崩壊」の原因となるのでしょう。
それは、このような心理が関係してくるからです。
6.先生の心理
先生
「やっぱり、あいつ(素行の悪い子供)は出さなかった。」
「どうせ、提出を促してもやらないだろうな!」
「職員会議で2週間の猶予があるから、まだ、注意しなくていいか!」
2週間後
「一応、2回、声をかけたけど。」
「やっぱり、あいつは出さないな!」
「提出は促したからいいか!」
「どうせ、言ってもやらないだろうし!」
「本人が損をするだけだから、放っておこう!」
「長期休業明けの宿題は、2週間後までに提出するように促す。」
結局、この1文は、やる気のない先生たちが指導をしない口実になってしまうのです。
7.真面目な子供の心理
期限を守って提出した子供
「夏休みは、毎日、宿題をやったぞ!」
「私は最後の2日で終わらせた!」
「俺も昨日、何とか終わったよ!」
「疲れたけど、何とか終わって良かった!」
「え~、Aくん(素行の悪い子供)は出してないらしいよ!」
「何で、先生は怒らないんだ!」
「何か、2週間後までに出せばいいらしいよ!」
「Aばっかりずるいよな~!」
「先生は差別してるんだ!」
「俺も来年は、夏休みが終わってから出そう!」
「私もそうする!」
「夏休み、最後の2日は遊べば良かった!」
真面目な子供たちは、自分ががんばった事が無駄に思えてしまいます。
ただ、先生たちはすぐにこう言います。
「勉強は自分のためにするんだから!」
「宿題をやらなかったAくんは、後で後悔するよ!」
確かに正論ですが、子供たちの心にこの言葉は響きません。
8.付和雷同生徒
クラスに40人の子供がいます。
40人もいると、必ず、「とても真面目な子供」は2~3人います。
同様に、必ず、「ちょっとやんちゃな子供」も2~3人います。
「学校の荒れ」や「学級崩壊」は、この「ちょっとやんちゃな子供」のせいではありません。
「とても真面目な子」「やんちゃな子」以外の34~36人の子供がカギを握っているのです。
9.良い事は褒め、悪い事は怒る!
先生が、真面目な子供(もちろんそれ以外の子供も)の良い行動を褒めたり、認めたり、発信したりすることで、「その他の子供」も同様の行動をするようになります。
もちろん、ちょっとやんちゃな子供(もちろんそれ以外の子供も)の悪い行いは、叱ったり、怒ったり、話を聞いたりすることで、「その他の子供」もしてはいけないことを学びます。
先生たちが、当たり前のことを当たり前に行う事で、「学校の荒れ」や「学級崩壊」はおこらないのです。
10.夏休みの宿題の対応方法
「長期休業明けの宿題は、2週間後までに提出するように促す。」
私は職員会議で、この文章の変更を求めました。
ただ、昨年度からその学校にいる、学校を「荒れ」や「学級崩壊」に導いてきた先生たちの反対により、その文章はそのまま残されることになりました。
しかし、私は生徒指導主事と学年副主任の立場を利用して、新1年生(私の学年)にはこのような対応おをすることにしました。
① 始業式の後、学年集会を開催。
② そこで、宿題を全て終わらせた子を挙手させる。
③ 終わらせた子に対し、全員で拍手をし賞賛する。
④ 宿題が終わっていない子に警告をする。
「明日の朝までに提出しない場合は、放課後、先生(私)と居残りとします。」
「それでも終わらない場合は、親に連絡することも・・・。」
「明日の朝までに終わらなそうな場合は、担任に素直に申し出て下さい!」
「どうするからは担任の先生と相談します!」
たかだか15分の集会ですが、翌日、宿題を提出できなかった子は、学年300人中9人だけでした。
私は、その9人と一緒に放課後、宿題を行いました。
結局、夏休み終了後3日で300人全員の宿題を終わらせる事ができたのでした。
11.あなたのお子さんの学校は大丈夫?
あなたのお子さんの学校には、まだ、夏休みの宿題を提出していない子がいますか?
もし、提出がうやむやになっているようなら、その学校はかなり危険であると言えるかもしれません。
このブログは、筆者の経験を元に作成しています。ただし、個人情報や学校が特定ができないように事例を変えて作成しております。掲載している情報により生じたいかなる損害に関しても、筆者が責任を負うことはできません。