これでいい。私が魔王としてこの学校に君臨すれば、悪事を働く馬鹿共はいなくなるはず。
「西宮さんって中二病だよね」
「誰が中二病だ。私は本気だ」
中二病と一緒にされるなど不快だ。私は本気の本気で魔王になるのだから。
「まぁ、別になんでもいいけど」
放課後、屋上。私と転校生くんは一週間の停学処分をくだされた。
「停学になったら意味がないじゃないか……」
しかも一週間後には終業式があり、その翌日からは夏休みだ。
「僕転校生してきたばかりなのに、どうして停学なんて……」
「お前は考えなしに行動するからだろ」
それにしても今日は疲れた。魔王になるのも楽じゃないな。
「はぁ、バイト行くか。それじゃ、転校生くん」
「うん。また」
私は転校生くんに別れを告げ、バイト先へと向かった。
「そういえば、二条さんは帰ったかな」
気になったのでお姉ちゃんに電話してみる。
『もしもしひのきか。どうした?』
「二条さんは帰った?」
『千佳さん?いや、居間で漫画読んでるぞ』
「え?」
あのお姉さん、二条さんに会いに行かなかったのかな?
「朝方、誰か訪ねてこなかった?」
『いや、特に誰も来ていないが……何か問題か?』
「う、ううん。なんでもない」
そう言って電話を切る。
「あのお姉さん、一体何者……?」
バイト先のコンビニに到着した。
「おはようございます」
「おーっす!」
私が挨拶すると、先輩がレジうちをしながら軽く返してきた。
着替えてから再び店内へ戻る。先輩はレジの隅にある休憩所で腰をおろしていた。
「よっ、お前の学生服姿っていつ見ても可愛いよな」
可愛いと言われて一瞬ドキッとしてしまう。だが動じるな私。この先輩はこういう人だ。
「気持ち悪いです。変態ですか?」
「照れんなって。顔赤いぞ」
この先輩は好きなほうだけど、よくこうして私をからかってくるので苦手だ。
「いらっしゃいませ」
先輩を無視してレジで接客する。
「…………」
休憩所から先輩が熱い視線を送ってくる。とても気になるが気にしない。
「西宮。話がある」
「接客中なので後にしてください」
「俺の子を産む気はないか?」
私の手がピタリと止まった。
「は?先輩、それはさすがにやりすぎです」
からかうの度を超えている。
「よくわかんねぇけど、お前を抱きたくなった」
