親戚のばあさんは、90歳近いのだが大阪の繁華街のど真ん中で
ちいさな1Kのマンションで一人で暮らしている。
常日頃から、この婆さんみたいな老後を送りたいなあ、と思っていた。
周りはビジネス街でマンション内も住居にしてる人は少なく、ほとんどが
会社のオフィスになっている。
このマンションは彼女の娘が最初購入してその後、婆さんが隣が空いたのを
購入して娘とお隣同士で住むというなんとも羨ましいスタイルだった。
しかし、娘が早世してしまい、今は娘の離婚した元夫が隣に住むという
嫌な感じにはなっているんだけど、本人はあまり気にせず、毎朝、
マンション下の喫茶店に行き、そこで年寄り仲間を作り楽しそうに過ごしている。
息子の職場も近くてよく来てるし、ヘルパーさんも週三くらいで来るし
楽々な老後でいいなあ、と思っていた。
自分も夫を見送ったら日本に帰って、息子のそれなりに近くにマンション買って
住むのがいいなあ、なんて思ってた。都心じゃなくてもいいから、駅近で
便利なところだったらいいなあ。とか。1Kか1LDKくらいで十分だしそのくらい
即金で買えるくらいのお金を貯めたいなあ、などと勝手に夢見ていた。
しかしコロナがきて、婆さんの生活は一変してしまった。外に出れないので
家でひきこもる日々、弱る足腰、もともと外に出るのが大好きで人と喋らないと居られない人だったから相当辛かったと思う。
こうなると、この繁華街のど真ん中は逆に孤独だ。何しろ家は汚部屋で、しかも猫までいるし、狭すぎて日が当たらない・・。日が当たらないのは致命的だな、と認識した。働いているときは日中日が当たらなくても全然いいけど、老人には良くないと思った。後、ビジネス街ど真ん中なので空気が悪く、窓も開けれない。
私はヒト好きじゃなく引き籠り人間だから余計だ。
やはり日当たりと空気の綺麗さは需要だわ。
最近老後への不安が止まらないわ。ふう。