里帰り出産している娘の産科は、手ぶらで入院の病院ではないので、

洗濯物を交換するために、平日夕方15分以内の面会が許されている。

 

病室は、個室で広々していた。

 

そんな病室の窓辺に小さなその命がすやすやと眠っていた。

想像しているよりもはるかに小さい。

あまりにも、小さくて、ふにゃふにゃで、抱き上げることもできず

椅子に座った膝の上に、娘が抱き上げた赤ちゃんをのせてもらった。

 

じわーっと、あたたかいものが身体中に広がった。

 

世界中の人が、こんな小さくてはかない命を、たった1分でも抱っこしたら、

争いを起こす気持ちがきっとなくなる。