「新しい世界-世界の賢人16人が語る未来」(講談社現代新書)を読んで

あおきりよん

 

まず『銃・病原菌・鉄』(草思社)でピューリッサー賞を受賞したジャレード・ダイアモンド氏の地理学的な歴史論に関心をもった。

 

彼の1万3000年にわたる人類史論をいずれ読んでみたい。近くの図書館で手配して借りることにしよう。

 

また、マイケル・サンデル氏が、実力や能力や実績評価主義へ一石を投じていることが、わたしにとっては頭が痛かった。

 

日本という国に生まれ、学校が求める能力をつけ、実力を伸ばし、仕事を持ち、ひたすら業績評価を高めて、困ることなく生きてきた自分は、まさにメリットクラシ―そのものの中で生きてきた人間だ。

 

それは、コロナの前までであるが、私自身、努力の結果とばかり、思い上がっていた。

 

コロナで海外渡航ができない状況下、自らの法人経営が難しくなって、これまで積み上げてきた経歴や実績が意味をなさなくなった。

 

コロナ自粛の生活は、これまでの人生を見直すきっかけとなった。

 

いまは、アラン・ド・ボトン氏が説くように、「底辺」や「最悪のシナリオ」に備えて、生への執着をなくし、その中で、人への思いやり、感動、助け合い、支え合いをしたいと思う。

 

地域の人びとに接して、年代を問わず、心に響く思いやりを示して、生きていきたい。

 

長い目でみれば、ピケティが説くような、新しい格差社会是正の試みが、北欧のように、日本でも始まるのかもしれない。

 

 また、現在、米国の勝ち一辺倒で世界が成り立っているが、このままでいくのか、新しく台頭してくる大国の動きをどうするのか、これからも生きていけるのであれば、どうなっていくのか、しかと見定めていきたい。

 

明日のことは、だれもがわからない。

 

死も含めて最悪の事態を想定しておけば、そのほうが気が楽だ。不安にならなくて済む。

 

これは、コロナが教えてくれた貴い真実である。