横須賀しおんさんの詩を読んで

「ひまわりのなみだ」

 

あおきりよん

 

春 望

杜甫作

 

国 破 山 河 在
城 春 草 木 深
感 時 花 濺 涙
恨 別 鳥 驚 心

烽 火 連 三 月
家 書 抵 万 金
白 頭 掻 更 短
渾 欲 不 勝 簪

 

 

都の長安はことごとく破壊され、山と河の自然のみが残っている。

 

その長安の街に春が巡りきて、草木が深々と生い茂っている。

 

失った様々なことに悲しみ、心を動かされて、野に咲く花を見ても涙にむせぶ。

 

幾多の人びととの別れを悼み悲しみ、鳥の鳴き声を聞いても心が痛む。

 

それでも、まだ烽火は止むことなく続いている。

 

このような時、家族からの便りは万金と同じくらい、何よりも貴い。

 

白髪の頭を掻きむしると、驚くほどに、ますます薄く短くなってしまった。

 

もはや位を示す冠を頭上に挿せなくなりそうなほどである。(あおきの解釈文)

 

 

最近は、漢詩に、妙に感じ入り、杜甫のこの詩は、一番好きな詩である。

 

45年前にこの詩を読んだ時には、最後の三行の深い意味を理解することができなかった。

 

詩は解釈の仕方により、ずいぶんと意味が変わってくるが、わたしの現時点での解釈文は、以上のようなものである。

 

横須賀しおんさんの詩を読んで、ひょっとして私の解釈は、しおんさんの意図した意味と異なっているかもしれないと思いながら、軽快なタッチで大きな悲しみや喜びを書いておられるのが、しおんさんの詩の醍醐味と感じた。