刑事フォイル42「新たなる戦い」に関する備忘録です。


台詞から単語を拾い、その歴史的な背景を調べて鑑賞するとグッと面白くなります。


今回からテーマ曲が賛美歌風(?)に移調され、映像はスパイっぽい小物が並び、雰囲気が変わっています。



舞台は1946年。

【調べた用語・登場順に】

・1945年7月16日 
 アメリカニューメキシコ州
 ホルナダ・デル・ムエルト→トリニティ実験
(人類最初の核実験)

・特殊作戦執行部
(SOE:第二次世界大戦中に設置された特殊作戦及び諜報機関)が解散。
 →MI5
(情報局保安部:国内の防諜・テロ対策を行う国内諜報機関)へ。

・ジョージ・オーウェル(反スターリニズム(反ソ連型社会主義)・反ファシズムという反全体主義思想の作家)がいう「冷戦」

・チューブ・アロイズ
劇中の台詞では、原子力研究の比較対照と推進を行っている団体としていたが、第二次世界大戦中にイギリスがアメリカやカナダと連携して進めた、原子爆弾開発計画の秘密コードネームのこと。

・粉末麦芽、粉末卵、チョークを混ぜたパン(戦後の物不足、粗悪な材料でかさ増し)↔アメリカの友人からハム

・GRU(赤軍情報部)
ロシア連邦軍参謀本部情報総局のこと。

・ロスアラモスの臨界事故
1945年ハリー・ダグリアンが起こす
1946年ロイス・スローティンが起こす

・カーチスJN4(愛称ジェニー)

第一次世界大戦後、アメリカ民間航空の基幹となった複葉機


・チャーチル保守党↔労働党(公約=国民健康保険制度)
・シャープ(グランヴィル・シャープ?奴隷制廃止運動の先駆者)
・コリンウッド?
・ベアトリス・ウェッブ(ビアトリス・ポッター・ウェッブ)フェビアン協会設立に尽力→労働党へ影響

・ソッピース・キャメル(第一次世界大戦中、西部戦線で使用された複葉機)の模型

・アトリー万歳(クレメント・アトリー第62代首相。ラムゼイ・マクドナルド以来2人目となる労働党所属の首相であり、労働党を結党以来初めて単独過半数獲得へと導き、安定的な政権運営の基盤を手に入れた。


【まとめ】

テーマは冷戦。
それぞれが考える新しい世界とは…。

ユダヤ人科学者であるマックス・ホフマンはヒトラーが首相になった33年にイギリスに来た、抑留も経験。

「当時のドイツでは共産主義者かナチスのどちらかになる以外の選択肢はなかった」
「イギリス人は忘れているが、イギリスの真の見方はアメリカが来る前はスターリン一人だけだった」

それに対して、同じ科学者のマイケル・フレーザー教授は「しかし今は自国民を殺す怪物だ」と返す。

イギリスは6年間、何のために戦ってきたのか。


オランダ人のソ連スパイや、配給手帳すらないポーランド人も劇中では描かれる。


戦後になり、戦中に抱いた理想はまだ生きているのか。

ソ連と通じるような人に見えないマイケル・フレーザー教授は言う。

「核の知識は我々が独占するには危険すぎる」

人類の滅亡を防ぐために、科学者同士連帯することが大事だと、そのためにはソ連と核の知識を分かち合わなければならないと訴える。

「私は科学者だ、裏切り者ではない」


【今回のツボ】

・アメリカ滞在中に、因縁のあった(9話10話:50隻の軍艦)あのハワード・ペイジ議員を半年も追及し自殺に追いこんだクリストファー・フォイル。

・サム・ウェインライトが被っているグレー帽子、どんなコーディネートにも合っていて可愛い。

・皮肉屋のアーサー・バレンタインは、ボーイズバーの常連さん。1940年代のイギリスでは、同性愛は犯罪とされていた。