今日の備忘録はこれまでとはちょっと毛色が変わりますが。
先日買ってちょうどいま読んでいる川島蓉子の近刊『TOKYOファッションビル』より。大学時代から「渋谷」という土地に知的好奇心を抱いているが、かねてより考えていたことがこの本の著者によっても指摘されている。
川島は1973年に誕生した「渋谷パルコ」について、そのロゴの際立ち方を語るにあたって下記のように記している。
特に渋谷の場合、坂の上というロケーションが、「外観とロゴ」を一体化して印象づけるには好都合な立地だった。「公園通り」の入り口に立った人は、否が応にも建物とロゴを目にする。「公園通り」の入り口からその姿形は鮮烈な印象を残し、坂を上りながら期待感が高まっていく。
川島蓉子 『TOKYOファッションビル』.
渋谷はあの駅を中心としてすり鉢上になっている土地柄が特徴的なのだが、坂の下から見上げると坂に面したあらゆる店舗、看板が一時に目に入る。渋谷という土地が欲望を掻き立てるのはあの地形によるのではないかと私には思える。
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