日々の営みを淡々と・・・(読書:十二国記) | 流産の悲しみを アートで解きほぐす

流産の悲しみを アートで解きほぐす

流産経験のある公認心理師、アートワーク・セラピストの名田文子です。
流産の経験は、理解してもらいにくいものです。
今も心の傷が痛むのに、誰にも話せない。
そんなあなたに寄り添いたいと思います。

 

皆さま、いかがお過ごしですか。

 

 

次々に状況が変わって翻弄され

さっぱり明るい兆候が見えてこない昨今。

 

 

今朝読み終えた本が、

今の空気感とマッチする気がして

じんわり心に残ったので、シェアしたいと思います。

 

 

小野不由美の「十二国記」シリーズ、

Episode5 「丕緒の鳥(ひしょのとり)です。

 

 

十二国記は、壮大なスケールの異世界ファンタジーで、

重厚な人間ドラマが魅力の人気シリーズ。

この「丕緒の鳥」は、本編のサイドストーリー的なものなので、

十二国記を知らない方がいきなり読んでも、

たぶん大丈夫じゃないかと思います。

 

 

4つの短編が収められていまして

どの話も、登場人物は、下級の役人。

 

 

物語の舞台になる国は、

どこも荒廃していて、災害や戦乱、政治腐敗の中にあるのですが

 

 

その世にあって

自らの役職に意義があるのかと悩み

自分の無力さに涙し

切実な願いが届かない虚しさに苦しんで

 

 

それでも、

自分にできることを、誠実に日々営んでいく

そんな姿が描かれています。

 

 

私が特に好きだったのは、

4つ目のお話、「風信」

暦をつくるために、自然の観察・調査を続ける役人が登場します。

 

 

悪政のために町が焼かれ、人が死んでいく情勢の中で

「そんなことをしている場合か」と非難されても

彼らは、

「それでも暦は必要です」と、

淡々と、粛々と、日々の務めを進めていくのです。

 

 

ほれた・・・。

こういう、揺るぎない人になりたいと思いました。

 

 

こんな時だけど。

閉じこもり、停滞し、不安に満ちた、今だからこそ。

 

 

私たちも、

「普通の生活」 を、大事にしていきたいですね。

 

 

あたりまえじゃなくなってしまった日常だけど、

それでも、

起きて、食事をして、洗濯して、部屋を掃除して、

家族と会話をして、寝る。

あわてず騒がず淡々と、

あたりまえの暮らしを営んでいこうと思います。

 

 

今日も、

なにか小さなしあわせを見つけられる日になりますように。

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。