どんな場合でも人生には価値がある(ロゴセラピー理論) | 流産の悲しみを アートで解きほぐす

流産の悲しみを アートで解きほぐす

流産経験のある公認心理師、アートワーク・セラピストの名田文子です。
流産の経験は、理解してもらいにくいものです。
今も心の傷が痛むのに、誰にも話せない。
そんなあなたに寄り添いたいと思います。

 

どんなに苦しくても、どんな悲惨な状況であっても、

人生には価値がある。

 

 

これを、きれいごとの理想論ではなく

実感を持って経験的に語ったのが、

オーストリアの精神科医、フランクルでした。

 

 

彼は、アウシュビッツ強制収容所の地獄の日々の中から

人生の価値について問いかけました。

 

 

ここ数回は、

フランクルのことを取り上げて記事を書いています。

彼の「ロゴセラピー」は、

絶望のどん底に光をさしかけるものだと感じています。

 

 

彼は、人生の価値を3つのグループに分けています。

 

ひとつめは、「創造価値」。

何かを創造することで、その人が世界に 何かを与える こと。

 

ふたつめは「経験価値」。

何かを経験したり、出会ったりすることで、

その人が世界から 何かを受け取る こと。

 

3つ目は「態度価値」。

自分では変えることのできない運命に直面したときに

その人が、その苦境に対して どんな態度をとるのか ということ。

 

 

この3つめの「態度価値」、

これがフランクルの主張の最も素晴らしいところだと思います。

 

 

一部、本から引用しながら、もう少し詳しくお話しますね。

不治の病で、臨終のときが近づいてきた女性のエピソードです。

 

 

つまり、彼女は、もはや何かを創造することはできないし、

何かを価値のある経験をすることもできない身となっているわけです。

 

 

彼女は、フランクルの言う「態度価値」について知り、

「免れがたい苦悩を避けることができないのならば、病気に向き合う態度と流儀を決めようと決心した」。

 

 

そして

「最初それは『虚勢』だったが、時が経つにつれてその行動は目的を持つようになってきた」。

 

 

その結果、

彼女は、苦痛に苦しんでいる人々の心の支えとなり

やがて世を去ったあとも

「その不屈の勇気が忘れられることなく記憶されている」

と言われるまでの人となったのでした。

 

「絶望から希望を導くために  ロゴセラピーの思想と実践 」

(ヴィクトール・E・フランクル著 青土社)

 

 

フランクルの言う「態度価値」。

もしかすると、今この文章を読んでくださった方の中には、

反発を感じた方もいらっしゃるかもしれません。

「そんなふうに、崇高に苦難に立ち向かうなんて、自分にはできない」 と。

 

 

でも、紹介したエピソードの女性も、

「はじめは虚勢だった」のです。

 

 

虚勢でいい。

演技でいい。

 

 

「人生劇場」の女優として、「こうありたい」と思える役を演じる。

それでいいんだと思うんです。

 

 

あなたは、

愛する赤ちゃんを失ったり

大切な人からの理解が得られなかったり

本当に苦しい中で、この文章をお読みくださっているかもしれません。

どうぞ、無理のない範囲で、試してみてくださいね。

24時間ずっと演じ続けるのは、たぶん、もちませんので、少しずつ。

 

 

 

私自身は、

これから職場のポジションとして、かなりしんどくなりそうなところに入ることが決まったところでして、

けっこう暗澹とした気分になっていたのですけど

「女優」精神で、立ち向かってみます!

絶望的な苦難というほどのことではないのですが・・・

学んだことを実践して、日々を乗り切ろうと思っています。

 

 

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。