板橋区選出、都議会議員の 木下ふみこ です。

 

ご質問を受けることがありますので、パチンコ店への対応について。

そもそも、パチンコは、「密集・密接・密閉」の「3密」に当たりますので、知事からのお願い自粛の対象となります。

パチンコ店への出入りは「自粛」をお願いしておりますこと、まずは御認識ください。

 

では、なぜパチンコ店に閉鎖指示しないのか?との多くの疑問にお答えするには、法律(改正特措法)に基づいた「知事の権限・できること」をご理解頂かなければなりません。

 

●緊急事態宣言・都市封鎖(ロックダウン)で何が起こるの?

国が「緊急事態」を宣言しないと都道府県知事は「緊急事態宣言」=「都市封鎖(ロックダウン)」はできず、「都市封鎖(ロックダウン)」がないと、人があつまる興行場への営業自粛などの「指示」はできません。

小池都知事は安倍総理に対して「緊急事態宣言」の要請を何度も行っています。(政府がなかなか決断しません。人々の私権を制限するものなので、宣言に慎重になるのも理解できなくはありませんが。)

 

緊急事態宣言までの流れは以下の通り。

 

現在(2020年4月1日)、国は、「基本対処方針の確定」まで実施ずみで、

 

①対策本部の設置(3/25完了) 

     ↓

②専門家会議で大臣報告書の了承(3/26完了)

     ↓

③「基本的対処方針」を諮問(3/27完了)

     ↓

④「基本的対処方針」を策定(3/28完了)

 

今後は、

⑤諮問委員会への意見聴取 

⑥国会への事前報告 を経て『緊急事態宣言』となります。

 

東京都などの都道府県知事は国の『緊急事態宣言』を受けて、「都市封鎖(ロックダウン)」を宣言できるのです。
 

「都市封鎖(ロックダウン)」とは、対象とするエリアの人の移動を制限したり企業活動を禁じることを指し、都は諸外国で既に採用されている外出禁止などを想定して使用しています。


知事ができることは以下の通り増えます。(画像出典:Yahoo!ニュース)

 

 

都道府県知事が使用制限を要請・指示できるのは、学校や社会福祉施設、興行場(映画や演劇、音楽、スポーツ、演芸などを公衆に提供する施設)。また、これらの施設におけるイベントやセミナーの制限についても要請・指示が可能となります。

 

●要請と指示の違いって?

「要請」とは、一定の行為について要請を受けた相手へのお願い。相手は要請を法的に履行すべき立場に立たされません。

「指示」とは、一定の行為を実施させることを指し、指示事項について相手に法的な履行義務が生じます。しかし「指示」に違反したとしても刑事罰が科されるのは限定的で、必要物資を隠匿、損壊、廃棄したケースなどに限られ、外出自粛や使用制限について、国の特措法は罰則規定を置いていません。

 

パチンコ店などへの遊戯場の営業自粛についても、北海道知事が「非常事態宣言(改正特措法成立(3/13)前(2/28)・根拠法なし」した際、北海道のパチンコ屋さんの組合が「営業自粛を実施」したように、自粛への圧力が高まることが期待できます。

 

都民の皆様への外出自粛も相変わらず「要請」ですが、都民の皆様への「アナウンス効果」は大きくなります。そういった意味での「都市封鎖(ロックダウン)」の意味は大きいと言えます。

 

ヨーロッパの国々と日本では根拠となる法律の拘束力が違いますので、欧米のような厳しい外出規制、罰則・罰金が科されることはありません。

スーパーへの買い物や薬をもらうなどは今と同じく、支障なくすることができます。

 

●経路不明の感染リスクが高い「エビデンス」に基づいての要請


先日(3/30 )の都の会見で、厚労省のクラスター対策班の北大大学院・西浦博教授がデータを元に解説されていましたが、夜のクラブなどは、「感染経路不明な患者の3割がここからと疑われる」とのエビデンスがあったので、個別に指摘し、強い自粛をお願いしました。

この際、パチンコ店は「経路不明の感染リスク」が高いとのエビデンスがないので、ここで特定する言及をしていないわけで、俗に噂される「多額の献金があるから」といったような「業界への配慮」ではありません。(そもそもこの業界からの「献金」はおろか「要望」すら受けたことがないですが。)

エビデンスなく「特定の業種に言及」することは、行政にはできませんし、やってはいけないことだと思います。

 

「パチンコ・雀荘・性風俗での感染が疑われるケース、今のところ報告ない 」東京都会見

 

●3/30 知事記者会見で自粛をお願いした内容

 中高年の皆様へ 夜のクラブ・バーなど接待を伴う飲食店の利用

 若者の皆様へ  ライブハウス・カラオケボックスの利用

 

刻一刻と、感染者の拡大が進み、収束の兆しは全く見えません。

ひとりひとりがコロナという「見えない敵」と戦っている。という認識で、不要不急の外出をしない、咳エチケットや手洗いに気を使うなど、できることをやっていくしかありません。

 

気が滅入る毎日ですが、元気を出して頑張っていきましょう。