※今から書く内容は「『つい』言ってしまった」という表現では済まされないことかもしれません。しかし、幼少期に自分が言ってしまったことを正当化する、事件や事故、災害に遭われた方々を非難するといった意図はありません。そのことを念頭に置いた上でお読み頂ければと思います。


 

 

 南三陸旅行記の連載がやっと終わり、つかの間(?)のオフシーズンです。「新連載が始まる」と予告していましたが、「投稿ネタ」で書きたいことがあったので、書くことにしました。

 

 先述したとおり、「『つい』言ってしまった」という表現では済まされないことだと思いますが、私が幼稚園年長(当時5〜6歳)だった頃、家族旅行で泊まった旅館のスタッフさんに「ねぇ、『O157』って大丈夫なの?」と聞いてしまったことがあります。私が幼稚園年長だった1996年当時、学校などで集団食中毒が発生し、頻繁にニュースで流れていたためでしょう。実際、テレビで「O157」や「かいわれ大根」といった言葉が頻繁に報道されていたことを覚えています。

 

 当時、私は幼稚園年長だったため、その発言をしたことは全く覚えておらず、私が大人になってから両親から聞かされ、びっくりしました。旅館のスタッフさんは「大丈夫ですよ」と大人の対応で返したそうですが…。

 両親からしたら「当時こんなこともあったよなぁ」という、笑い話のつもりだったのだと思います。しかし、私は障害児支援の仕事をしていて、「子どもだから、病気や障害があるからといっても許されないことがある」と考えのもと、支援にあたっているため、「なんてことを言ってしまったんだろう…。(当時幼稚園児だったとはいえ)ホテルの人に申し訳なかったな…」と思ったものです。

 

 自分は覚えておらず、後になって親から聞かされたことではありましたが、「震災いじめ」やコロナ関連の差別・偏見といったニュースを聞くたびに、「テレビなどで言っている『悪い言葉』を子どもがマネして使ってしまうのも無理もないよなぁ〜」と思うようになりました。

 

 

 私が幼稚園年長だった1996年頃だと、インターネットが一般家庭に普及しておらず、情報を得る手段といえばテレビがメインでした。もちろん新聞やラジオといった手段もありましたが、さすがに幼稚園児では新聞は読めませんからね…(・・;)

 テレビの最大の特徴といえば、「音声」と「映像」でしょう。裏を返せば、「何も考えていなくても情報が入ってきてしまう」ということでもあります。情報を得る手段がテレビしかなくて、かつ同じニュースが延々と繰り返し報道されていれば、嫌でも覚えちゃいますよね…。

 

 「同じことが延々と繰り返し報道されている」と聞いて思い出すもののひとつが、東日本大震災関連のニュースでしょう。震災からしばらく経った頃にテレビかネットで見た話ですが、当時小学校低学年だった息子さんが「地震」「津波」「原発」という言葉をふりがななしで読めるようになってしまった…という話を聞いたことがあります。あれだけ何回も報道されていればそりゃ覚えるよなぁ…と思いました。

 

 震災関連でもうひとつ思い出すのが、2017年頃に問題になった「震災いじめ」でしょうか。原発事故の影響で福島県から他県に避難してきた小中学生に対し、「賠償金あるんだろ」「放射能がうつる」などの酷い暴言を吐くといったことがありました。先生が、当該児童生徒の名前に「菌」をつけて呼んでいたこともあったようです。


 「情報リテラシー」って、大人でも難しいですよね。ましてや前例のない事故でしたから、大人でもどう判断していいか分からなかったと思います。しかし、当該の児童生徒が好き好んで避難してきているわけではないことは伝えられなかったのだろうか、と思ってしまいます。


 コロナ関連でも同様で、私が過去に勤めていた教室で、当時中学生だった男子生徒が冗談で「○○(場所)でクラスターが発生しました〜」と言ってしまったことがありました。しかし、スタッフが「それは冗談で済まされないんだよ」と言うと、当該生徒はすぐに謝罪し、それ以上悪いことを言うことはありませんでした。



 一番良いのは、ネガティブなニュースを繰り返し報道するニュース番組やワイドショーを見ない(見せない)ことですし、マスメディアもそういった情報を繰り返し流さないのが良いのですが、相手に期待するのも無理がありますよね。また、子どもに全くテレビやインターネットを見せないというのも無理があるし、同級生などからそういった情報が入ってきてしまうのも事実です。


 「世の中のできごと」を知る・関心を持ってもらうという意味でニュースを見る(見せる)ことは重要ですが、「ただなんとなく見る」ということは避けるのが重要なのかな、と思います。大切なのは、そのニュースの「何が問題になっているのか」「(良くないニュースだった場合)どうしたら同じことを2度繰り返さずに済むか」を常に考えていくことなのだと思います。





つい言ってしまい後悔したこと

 

 

 

 

 

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