ムクンダがアジアコレラにかかるという事件があったが、その病から回復した頃にスリ・ユクテスワと弟子達と一緒にカシミールに旅行することになった。

 最初の宿泊地でスリ・ユクテスワがいちごを買ってムクンダにすすめた。ムクンダは一つ口に入れるたがすぐに地面に吐き出して「ずいぶんすっぱいですね。これはとても好きになれそうもありません」と言った。スリ・ユクテスワは笑って「だいじょうぶ好きになるよ--アメリカに行ったらある婦人がお前を夕食に招待して、このいちごをごちそうしてくれる。するとお前は『いちごって、なんておいしいんでしょう!』と声をあげてしまうよ」と言った。

 ムクンダはこの予言を忘れていたが後年アメリカに渡って間もなく、アメリカの婦人に招待された時にこの予言を思い出した。食事の後のデザートにいちごが出されたが、夫人がミルクと砂糖をかけて「このくだものは少しすっぱいので、このほうがお口に合うでしょう。」と言った。ムクンダは一口そのいちごを食べて「いちごって、なんておいしいんでしょう!」と思わず叫んだ時に、はるか以前のスリ・ユクテスワの予言がよみがえってきて、がく然とした。