青山圭秀先生は小説を一冊だけ書いている。『最後の奇跡』という、ファティマ第3の予言に書かれたカタストロフィが起きたかのような世界を舞台にした小説である。

 青山先生は、そのような破局が起きることを夜中に悪夢で目が覚めるほど心配されたようだが、一方ではそれらの災害を鎮めるための祭祀を予言書に従って実行されている。『理性のゆらぎ』では人間くさい側面やユーモアセンスを披露しているが、予言書が出ると忙しい仕事のスケジュールを無理やり調整して祭祀の時間をねじ込み、骨折するような事故にも挫けず予言の指示を完遂し、また予言書を自力で読むためにサンスクリット語を習得するような方である。どれか一つだけでも常人には無理ゲーだと思う。

 青山先生は瞑想の先生でもあるので、ぜひ教えていただきたいと思いながら、未だその門を叩けていない。前世で何か失礼なことをしてしまったのかもしれない。