第17回 真に必要なのは「日本」の復興だ

 

京都大学の山中教授が、3月5日(木)のNEWS ZERO にパートナーとして出演した。

そこで重要な証言が飛び出した。あなたはご覧になっていただろうか。気付かなかった?では共有しておこう。

 

小栗)iPS細胞のストック事業について、ですけれども、去年の8月に官邸の和泉補佐官と

  厚労省の大坪審議官が先生のもとを訪ねて補助金を打ち切るという趣旨の話をされた

  ということが、国会でもとりあげられたわけですけれども、実際には何が伝えられたんで

  しょう。

山中)3人でお話して、もう決定事項だと、来年からストック事業の部分については国の

  お金を出しませんと、通告されたと僕は理解したんです。が、そのあといろいろお話し

 していると、先方からは、相談に行ったんだということで、かなり認識に差があったんだ

 なと。私たちは国からお金を出していただいている方(ほう)ですから、なかなか、言い

 返せない。そういう認識の違いというのは、3人で会ってしまったのがボタンの掛け違い

 の原因の一つだったかもしれないと、反省しています。

 

どこまでも謙虚な言い方ではあるが、「(和泉補佐官と大坪次長から)iPS細胞ストック事業には国の予算を出さないと通告された」と山中教授は明言している。

 

第12回「結局、8月9日に何があったのか」 

https://ameblo.jp/fumiharu0806/entry-12577480654.html

で詳述した通り、二人が事実上「恫喝」したのだ。その事実を裏付ける重大な証言といえよう。

 

目下、我が国においては新型コロナウイルス感染症への対策が最優先課題である。国を挙げて、与党も野党もなく、永田町も霞が関も、官も民も、対立を超えて知恵を出して乗り越えよう。

 

しかし、その陰で、正義が葬られようとしているなら、それを見逃してはならない。この国に難局を乗り越えるポテンシャルがあることを示すとともに、最後は正義を貫く良心があることも見せなければならない。

 

 

東日本大震災から9年。いまだに数万人の方々が復興住宅にお住まいになっている、一種の避難状態におかれているという。信じがたいが事実だ。この9年もの年月の間、一体私たちは何をしてきたのだろうか。あるいは何をしてこなかったのだろうか。

 

あの日あの瞬間、私は国会にいた。参議院の予算委員会の質疑の真っ最中だった。当時は、民主党の菅政権であったが、総理の外国人献金問題を巡って、連日激しい「菅降ろし」が吹き荒れていた。

 

そこへ国難が襲った。

 

「被災地の復興なくして我が国の復興はない」とは総理の言葉だ。その言葉通り、被災地の復興はもちろん成し遂げられなければならない。新型コロナウイルス感染症によって受けている、さらにこれから受けるであろうダメージも跳ね返さねばならない。そして、その先に我が国が取り戻すべき、もっと基本的な「正義」「道徳」「希望」がある。国が依って立つ基盤なしに真の「復興」はあり得ない。

 

根本的な復興こそが必要だ。

 

 

 

日本の医療研究開発が歪められている。