(追記) 第7回 和泉補佐官の写真と経歴がもとに戻った件

 

しばらくぶりに和泉補佐官の紹介HPを見に行ったところ、写真と経歴が元に戻っていた(3月2日時点)。

 

「復権」するとは思っていなかったので、スカスカ状態の補佐官ページの写真をアップしておけば良かったと後悔している。内閣官房の職員がこのブログを見ているとも考えにくく、なぜ和泉補佐官のHPが元に戻ったかは、そもそもなぜ写真や経歴が消されたかと同様、謎である。

 

もっとも総理補佐官といえば、最近、秋葉賢也総理補佐官が、新型コロナウイルス感染拡大を受けて政府が大規模なイベントの自粛を呼びかけた2月26日当日に、(衆議院議員としての)地元の宮城県内で政治資金パーティーを開催したとして批判されたのが記憶に新しい。秋葉補佐官は、(失礼ながら)知名度は他の補佐官に比して必ずしも高いとはいえないが、今回の件で、知られるようになった。総理補佐官の紹介HPもアクセス数が急上昇したことであろう。

 

ちなみに、今回の批判に対して、「私が(総理)補佐官という肩書だから、私だけ着目されるのはどうかなと思う」とも語ったとされるが、一衆議院議員であることに加えて、総理補佐官に任命されているのだから、より幅広い活躍が期待され、同時により厳しく自己を律することが当然に求められるはずだ。「肩書だから」という言い方に、総理補佐官としての秋葉氏には、実務が伴っていないのではないかと思ってしまう。ただ、補佐官としてのHPには、視察を活動実績として積極的に紹介しているところをみると、「肩書」を利用して、自己アピールに余念がないという見方も可能だ。

 

総理補佐官を理解する上で非常に参考になる記事がある。

日経新聞「首相補佐官「安倍1強」支える 海外では厚遇 米では閣僚級」(2019年10月18日)だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51085020X11C19A0EAC000/

 

「国際情勢の目まぐるしい変化に対応するため政策立案にスピードアップが求められ、以前より首相官邸で処理すべき課題も増えた。官僚でも閣僚でもない首相補佐官の柔軟な活用は官邸を肥大化させることなく官邸主導を維持するカギとなる。」という認識が記事のまとめ部分に示されている。

 

しかし、93年の細川内閣で首相特別補佐を務めた田中秀征氏が、首相補佐官のあり方について「首相の思想や政策の助言役であるべきで、首相の権力行使の補佐が役割だと誤解すべきではない。特に官僚出身者が権力を補佐するなら官房副長官補など行政の意思決定ラインに入るべきだ」と指摘していることも紹介している。

 

 

原点に立ち返ろう。

「内閣総理大臣補佐官及び大臣補佐官の職務遂行に係る規範」(平成26年5月27日閣議決定)はHPから消えることはないであろうから写真はアップしないが、URLのみ記しておく。https://www.cas.go.jp/jp/siryou/pdf/20140530_daijinhosakan.pdf

 

この機会にその趣旨を見直しておくことは価値がある。

 

すなわち、

・内閣総理大臣補佐官は、国家公務員法等の趣旨を踏まえ、国民全体の奉仕者として政治的中立性が求められている職員に対し、一部の利益のために、その影響力を行使してはならない

 

すなわち、

・内閣総理大臣補佐官は、総理大臣直属のスタッフとして総理大臣を補佐することを職務とするものであり、組織を代表する立場にはなく、内閣官房副長官その他の職員に対する指揮命令権を持たず、これらの者から指揮命令を受けることはない

 

上記閣議決定に立ち戻れば、和泉補佐官が菅官房長官の懐刀といわれることがそもそもおかしいし、「国家公務員法等の趣旨を踏まえ、国民全体の奉仕者として政治的中立性が求められている職員に対し、一部の利益のために、その影響力を行使してはならない」のに、行使している事実は明らかに閣議決定に違背していると言わざるを得ない。

 

 

日本の医療研究開発が歪められている。