筆跡について~入木抄より | 自由が丘・インストラクター・書家・書道教室

     

     

     

    尊円親王の入木抄より。

     

    「書は心の表れであり

    筆を執る者は

    すぐれた古人の書の形を通じて

    心のありようを学ぶ。

     

    筆を執る時は

    文字の形に具現された

    人の本来性を見極めることが必要である。

     

    筆勢とは、筆の勢いではなく

    人の心や動きや行いが

    うつしだされたものを指している。

     

    人の心を尋ねるには

    その筆跡を尋ねることが必要である。

    なぜならば

    外形化された文字の形を通じて

    その心に至るからである。

     

    書とは、

    古人の運筆の軌跡を辿ることにより、

    古人の身心の経験を共有し

    その規範を身に着け

    我執を去り自己を無化していく修行である。」