旧国名の由来

近江と遠江は対照的な地名である。

近江は現在の滋賀県、遠江は静岡県のこと。

「おうみ」とは「淡海(あはうみ)」のこと。淡水の湖、すなわち琵琶湖のこと。

遠江(とおとうみ)とは「遠(とほ)つあはうみ」、都から遠いところにある

淡水の湖、すなわち浜名湖のことを古くはこう呼んだ。

また、近江は江州(ごうしゅう)、遠江は遠州(えんしゅう)ともいった。

 

なお、静岡県に属する旧国名は遠江だけでなく、駿河国・伊豆国もある。

 

■ おまけ

 「三流亭の遠州・大井川紀行」

6月某日、一度は乗ってみたいと思っていた大井川鐵道に乗る計画を立てた。

おそらく大井川を境にして、駿州と遠州にわかれるのだろう。

時刻表を調べて旅行プランを考える。

かつてはこの時間が楽しく、時間がたつのを忘れて熱中したものだが、

今は何か面倒になって、集中もできなくなってしまったのは残念の至りである。

 

一番行きたかったところは、よく写真で見るダム湖の橋上駅。

 

まず時刻表を見て、想像以上の不便さにビックリ。

SLも運行しているということだが、混雑を避けて平日日程なので、SLに関しては

まあ乗れたら乗ってもいいかな程度。

大井川本線と井川線、2つの路線を乗り継いで行くのだが、

何年か前の台風の被害で、いまだに不通区間があり、バス路線をつないで行かねばならない。

そのバスも地域のコミュニテイバスを利用すればということらしい。

下の写真は、大井川本線・家山駅の時刻表。

家山駅は東海道線金谷駅から大井川鐵道に乗り換え、50分ほどの距離にある駅。

 

ご覧のように上りも下りも一日4本しかない。

この家山駅からコミュニテイバス(千頭駅行き)が出ているのだが、こちらも1日6本しかない。

大井川鐵道・井川線の始発駅、千頭(せんず)駅から湖上駅に行ける。

これだけ不便だと旅程をあれこれ考える余裕などほとんどない。

しかしながら時刻表に従って、鉄道・バスを乗り継いで目的地、奥大井湖上駅まで行き、

ピストンで戻れば、日帰りで金谷駅まで戻れることがわかった。

ただし、湖上駅滞在はおよそ40分ほど。

 

これは湖上駅で乗ってきた列車が出たところ。

鉄橋には遊歩道がついていて、そこを歩いて20分ほど登山をすると、展望が開ける場所

にたどり着き、写真を撮り脇目も振らず湖上駅に戻り、帰りの列車に乗る。

おそらく、乗ってきた列車が終点の接岨峡まで行き、折り返してきたのだろう。

井川線の始発駅、千頭駅から乗ったときには、ツアー客などでほぼ満席だったのに

帰りの便の乗客はわたしと連れの2人のみ。

 

 

だいたいここに来る人は有名な寸又峡温泉とか川根温泉などに一泊して、翌日ゆっくり

戻ってくるという旅程になるようだ。

大井川を越えて島田宿から金谷宿まで東海道を歩く、という目的もあったため、

かくのごとき弾丸日帰りツアーになった次第である。

へい、ご退屈さま。