令和5年、今年のオニバスの開花はどうであろうか。
8月12日(土)に4年ぶりのオニバスフェスタがあったが、
今年の開花状況はまったく寂しい限りで、浅いオニバス田んぼ(試験田)の方に
わずか2~3輪の花が咲いているのみであった。
埼玉新聞が取材に来ていたが、「これじゃあね・・・」と
記事掲載は見送りとなったのも仕方ないことか。
絶滅危惧種オニバスが天然記念物(埼玉県・加須市)に指定されて
復元池が整備され、大きな葉がびっしりはびこっているはずなのだが、
残念なことに深い方の復元池には、この3年ほど全く生育が見られない状態だ。
温暖化・異常気象の影響も考えられるが、毎年、オニバスの小さな葉が水面上に
見られ、発芽は確認されているが、その後見えなくなってしまう。
オニバスの天敵、ザリガニやカメに柔らかい新芽を食われている可能性が高い。
上の画像は8月27日(日)のもの。
少しずつ花も増えてきて、試験田の方に25のオニバスの花を確認した。
写真は共に絶滅危惧種・ヒメシロアサザとのツーショットである。
1枚の写真に収まるのは大変珍しいことになる。
ヒメシロアサザはオニバスと競わないように池の一角に別に枠を設けているのだが、
今年は枠外に1~2株のヒメシロが勝手に自生したからである。
このツーショットが来年も撮れるかというと、その保証はない。
とにかく、今年が初めてのことである。
そんなことを知る人はほとんどいない。
今年はオニバスの生育・開花が遅れていると思われるが、
元々は8月下旬が花の最盛期であった。
温暖化の影響か次第に開花時期が早まり、お盆前後が見頃となっている
のだが、本来に戻ったとも考えられる。
9月に入っても、花の数は少ないかも知れないが、
しばらく楽しめそうである。