けっこうな頂き物をした時、
「ありがとうございます。サクくいただきます。」
何人かで会食した際、勘定時に余分に出してくれる人に
「ありがとうございます。サクくごちそうになります。」
もっぱらこんな風に使う。
「サクい」とは遠慮なく、気兼ねなく、庶民的に、ぐらいの意味か。
この地方の言葉のようだが、便利な言葉なので、もっと広く使われてもいいと思う。
「あの人は気さくなひとだ。」の「気さく」は全国的に通用しているし。
念のため古語辞典にあたったところ、「あっさりしている・気さくである」とあった。
また、「もろい・こわれやすい」という意味もあるようだ。
「あなたは気さくな人だ。」と言われるのはほめことばであるが、
「あなたは気の置けない人ね。」と言われるのはほめられているのかそうでないのか。
逆の「気の置ける人」の意味を考えればわかる。
「気が置ける」は失礼があっては大変とばかり、応対に気を使う相手である。
「気が置けない」はそんな気づかい無用の気さくにつきあえる相手のこと。
どちらがほめ言葉なのかは言うまでもないだろう。
しかし、日本人の半分くらいは「気の置けない」を悪口だと勘違いをしているという話だ。
どうも、「・・ない」という否定語がマイナスの意味と受け取られる傾向があるようだ。