本Logの14冊目は、こちらの小説を。




わたしが江國さんの作品に「ちゃんと」出会ったのは、高校1年生のころだったと思う。
当時の国語の先生が、高校生のうちに読んでおくべきおすすめの本というのを、30冊くらい挙げてくれていて、
その中に、この作品があった。
それが、「ちゃんとした」出会いだったように思います。

もっと前から江國さんの名前は知っていたのだけど、
「大人の恋愛小説」というイメージがあって、中学生のわたしは手に取れずにいました。
高校生になったわたしが、これを読んで、どんな感想を持ったのかは、
あまり覚えていませんが、やっぱりまだ少し難しかったような気がします。

アル中の妻と、同性愛者で恋人ありの夫、という一見奇妙な夫婦。
でも、この2人が、とてもいい。
夫の恋人を含めた3人も、とてもいい。

この3人は、この形を望んで、生活しているのに、
やっぱり世間はそれを許してはくれなくて、
そのせいで、自分たちも傷つき、傷つけあってしまう姿は、
なるほど、『純度100%の恋愛小説(裏表紙から抜粋)』だと思うのです。

江國さんが書く人物は、
時に、目をそらしたくなるほどリアルだ。
他人に見せないように取り繕っている部分も、
容赦なく剥がしてしまうリアルさがある。
だからこそ、時に、切なくなるほどとても愛おしくもあり、
なんというか、とても人間らしい人間がよく登場する。

何も考えず気軽に読めるジャンルとはちょっと違うし、
読んでいて苦しくなってしまうこともあるけど、
それでも、高校生の頃からずっと、わたしの本棚には江國さんの作品が何冊も居続けている。
(自分で買ったのではなくて、母の本棚から勝手に拝借したような気もする…)
高校生のわたしは、受け入れられるところと、そうじゃないところがあって、
どうも困惑してしまったような覚えがありますが、
28歳になったわたしは、妻も、夫も、恋人もとても気に入りました。
こん3人のやわらかい日常が、どうかずっと守られますようにと、願わずにはいられません。

最後に、
わたしはこの本に出てくる『羊羹のような闇』という表現が好きで、
そんな夜に出会えたときは、ちょっと嬉しくなります。


本日も、最後まで読んでくださってありがとうございました。



 

 

 

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