【書籍レビュー】狐の日本史 | 宇宙の叡智を降ろすブログ

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数秘チャネリング鑑定をしています。

以前買って積んであった本。

狐関係の本としては2冊目です。

前回の本とは一転して、専門書である。

 

 

 

 

狐の日本史

狐の日本史 古代・中世びとの祈りと呪術 | 中村禎里 |本 | 通販 | Amazon

 

 

 

 

内容

古くからの日本での狐の捉え方について、著者の民俗学の論文を元に1冊にまとめた本である。

読み始めてから気がついたのだが、本書は2冊の内の前半に当たり、古代から中世までの狐にまつわる伝承を取り上げている。

 

 

巻末の文献リストを見ると、よくもまぁここまで読んだなと言うぐらい書かれている。

たぶん300冊以上ある。

 

 

章のリストを挙げれば狐好きなら興味を引くテーマが並んでいる。

 

  • 第一章 古代人は狐をどう見たか
  • 第二章 狐落としの六字経法
  • 第三章 和様ダキニ天の誕生
  • 第四章 辰狐の登場
  • 第五章 藤原氏の恩恵者
  • 第六章 室町時代に頻発する狐付き
  • 第七章 桂地蔵事件と中世の衆庶信仰
  • 第八章 鳥羽上皇の寵妾と玉藻前伝承
  • 第九章 安倍晴明の母にまつわる狐伝承
  • 第十章 戦国武将と狐

 

 

伝承をそのまま書いている箇所は面白いのだが、

著者の関心が狐にまつわる不思議なことにはなく、

伝承がどのように移り変わったのかという点にある。

 

著者は超常現象は否定も肯定もせず、当時の人がどう記録していたのかだけであり、物足りない。

そのため、狐にまつわる伝承を取り上げるのだが、その後、複数の文献をあれこれ比較して、話としてここが変わった。前半が脱落したというような事柄に終始し始める。

 

 

そうなると個人的には

「うーん、まぁ、そこまで細かい話は興味ないかな」とページを読み飛ばすことが多々あった。
 

 

資料はたいへん網羅的なのだが、章立てされているのは著者が論評したくなったところなので、日本人の狐史とまでは言えない。

そもそもが残されている話が少なすぎて、著者の主張としても、「ではないか?」という推測以上のものとはいえない。

 

 

普段、本を読むときにはマインドマップを作ったりするのだが、この本に関しては作る気がしなかった。書き始めたら延々と書くが出てきて終わらなくなるからである。

 

 

内容は濃いのだが、民族学的であり、狐と話している立場からすると、「伝承が移り変わっていくのを比較することがそんなに大切なのか?」と思ってしまうのだ。

 

 

 

 

著者

出典:河童の誕生と変遷 中村 禎里 氏

中村 禎里(なかむら ていり、1932年(昭和7年)1月7日[1] - 2014年(平成26年)3月13日)は、日本の生物学・生物史学者、立正大学名誉教授。専攻は科学史、民族生物学。日本科学史学会会員、日本医史学会会員[2]。
経歴・人物

東京生まれ。1958年東京都立大学 (1949-2011)生物学科卒業。同大大学院理学研究科生物学専攻博士課程修了[2]。早稲田実業学校教諭を経て、1967年立正大学教養部講師。助教授、教授、1995年仏教学部教授。2002年定年退任、名誉教授。

生物学を中心に社会現象としての科学のあり方を研究。生物学周辺の歴史・民俗について多くの著書を著す。

引用:中村禎里 - Wikipedia

 

 

 

 

白狐さんとの対話

フミ:この本、まあまあ面白かったですが、、、

読む必要ありましたかね?

 

 

白狐さん:読み飛ばしても、なんとなく昔の狐感がわかっただろう。
そんなにヒドく言うこともないだろう。

これを読んだからと言って何かが身につくわけではないが、それでもこれを知っているのと、知らないのでは、だいぶ違う。

 

 

 

 

個人的メモ

フミ:興味深かった点をいくつか書いてみます。

  • 狐信仰は関東で盛んだった。
    多くの神社が、京都の伏見稲荷から来ているから、西から来ているのかと思いましたが、稲荷は関東の方が盛んだった。
     
  • 色々な信仰が稲荷信仰へと吸収されていった。
    稲荷でも狐そのものを祀っている場合も多々あった。
    元々の地主神だったり、霊などを狐として、やがて稲荷を名乗ったりしている。
    その為よく言われる、お稲荷さんは宇迦之御魂神様を祀っているという説明は、歴史的にみれば必ずしもそうとは言えず、最初から狐を祭っていたりする場合もあるとも言える。
     
  • ダキニ天は、元々インドの死肉あさりの神が神格化されたもの。日本に入ってきた当時もどこか胡散臭い信仰、現世利益的と思われていた。
     
  • 室町時代に六字法と呼ばれる狐を払ったり、あるいは狐を付けて人を病気にさせる呪法が流行り、仏僧が儀式をしていた。足利将軍まわりの歴史書に多数登場している。
     
  • 安倍晴明の出生地が常陸であるという話は、関東の陰陽師集団が広めたのではないかという推論。
     
  • 戦国武将も築城すると稲荷を設置していた。領内の加護・鎮守、敵への調伏目的としていた。
     

 

 

 

白狐さんとの対話その2

白狐さん:ほらけっこう役に立った知識があるじゃないか。

 

 

フミ:日本人の中で、狐のイメージは時代とともにいちじるしく変遷してきたようですね。

狐という種族がいてそれがあれこれやっているという感じで捉えてはいけない。

時代の中で、ある種霊的な存在、不思議なこと、それらを農耕しているとき見かけるようになった狐と重ね合わせて、霊的な狐というイメージを持った。神さまのお使いとして、または超常現象の主体として、呪法の使い魔として狐が認識されていくようになった。というのが適当のように思います。

 

 

フミ:また、古代はその役割がヘビであったが、関東においては、稲作の影響からかヘビの立場を段々と狐が担うようになっていった。

 

 

フミ:信仰ってドンドン変わっていくようですね。

 

 

白狐さん:せっかくだから分類してみなさい。

 

 

フミ:分類ですか?

  1. 生き物としての狐。
    昔はイタチ、テンなども含まれていた。
  2. おとぎ話に出てくる女などに化けて人を騙す狐。
  3. おとぎ話に出てくる人間と結婚して子供を作るがばれて逃げ出す狐。
  4. 人に取り憑いて病気にする狐。(狐を虐めた呪い。呪術の場合も)
  5. 神の眷属、お遣いとしての狐。
  6. 呪術として使役される狐。
  7. 狐憑きと呼ばれる狐が人の口を通じて喋る事例。
  8. 狐筋という呪われた家系。
    (続刊にて語られる。村八分的なもの)

 

 

白狐さん:まだまだお前さんは狐道としては、ほんのちょっとしか知らないというわけだ。

それがわかっただけでもなかなかの書籍じゃないか。

 

 

フミ:なるほど。

 

 

 

評価

読みやすさ:★★☆☆☆2(平易な文章だが分厚い)
民俗学度:★★★★★5(マックス)
スピ度:★☆☆☆☆1(語られていない)

 

 

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