少しずつ 少しずつ積み重ねてきた時間は
11年を迎え
あの日と同じ金曜日
朝から驚くほど温かな日差し
沿岸部のかつての教え子の中に
家族、親戚9人亡くなったと言う子もいました
抱えていた子供が津波にさらわれて
自分は助かったのに子供を助けられず
一晩で真っ白な頭になってしまった教え子もいます
抱えきれずひとり泣き過ごした日々があって
季節の移ろいにも気付くアンテナは折れて
津波を見ていない私ですら モノクロの世界に沈み込んだ数年
桜の色に彩りが加わったのはいつだったかな
戦争の焼け野原のような石巻の風景
高く積まれた車の要塞にも見えた南三陸の志津川
泣きながら車を走らせた通りのすべてが
永久保存のファイルに入ったようです
穏やかな海
青く澄んだ空
次の災害に備えて もう一度考える日としていけたらと強く願っています