警察は、男女が誰かを監視している会話を盗聴していました。トリニティの部屋に侵入した女性は、彼女の驚異的な格闘技術によって撃退されます。その直後、エージェントと呼ばれる男たちが現れ、トリニティは迅速に逃走します。

エージェントたちに追われるトリニティは、無人の電話ボックスに逃れますが、一人のエージェントがゴミ収集車を使って先回りします。トリニティが電話を取ろうとすると、エージェントは収集車を突っ込んできますが、電話の破片だけが残された空間でした。

エージェントたちは瞬く間に戦術を切り替え、トリニティが監視していた男性を追跡し始めます。一方、ネオ(本名アンダーソン)は自宅で自分のコンピューターが自動的に謎のメッセージを受信していることに気付きます。その予言めいた言葉に導かれるように、彼は夜のクラブへ向かい、トリニティと運命的な出会いを果たします。

翌日、ネオが職場に到着すると、宅配便で携帯電話が届きます。電話を取ると、男性の声がモーフィアスであることに気付きます。モーフィアスはネオに逃げるよう警告し、指示を与えますが、エージェントたちがネオを逮捕しにやってきます。モーフィアスの助言は驚くべき的確さでしたが、ネオは最後の指示を完遂できずに捕らえられます。

取り調べは圧迫感のあるもので、ネオは弁護士を要求しますが、エージェントの介入で彼の声が消えてしまいます。驚愕するネオをエージェントたちは制圧し、蟲のような機械を彼の体内に挿入します。それによりネオは気絶してしまいます。

目を覚ますと、ネオは自宅のベッドで飛び起きます。そして、トリニティからの電話で呼び出されます。彼女と仲間たちが車で迎えに来ますが、助手席の女性が銃を突きつけ、ネオの体内にある蟲を吸引装置で抜き取ります。トリニティはそれを捨て、目的地へと向かいます。

目的地のビルでモーフィアスと対面したネオに、彼はマトリックスと世界の真実を示す薬を飲ませます。すると、ネオの体は徐々に塗装が剥がれ落ち、彼の意識は混乱し、抵抗する中で奇妙なカプセルの中に転落するのでした。

ネオは体中の管に繋がれたまま、周囲を見渡します。そこは機械で作られたような地獄の光景で、同じようなカプセルが無数に並んでいます。カプセルの中には眠る人々がおり、一人も動いていません。ネオが茫然とする中、ロボットが彼の前に現れます。

ロボットがネオを調べると、彼の体の管が外され、カプセルに満たされていた液体とともに捨てられました。ネオは何かの間違いで地下水路に落ち、沈んでいくところでしたが、そこにモーフィアスたちが現れ、クレーンで彼を引き上げて救出しました。

先ほどとは異なる装いのモーフィアスたちは、リニアを併用したホバー船「ネブカドネザル号」でネオを治療します。モーフィアスは回復したネオに、世界の真実を語ります。

その世界はネオが知る現実よりも遥かに時間が進んでおり、人類と機械の戦争が過去に起き、太陽光を奪うために人間が作り出した黒い雲が広がり、地球は完全に荒廃していました。機械は自らを維持するために人間を栽培し、細胞の生成する電力を利用していました。そして、「マトリックス」という仮想現実空間を作り、人間たちは眠りながらその中で電池として生涯を終えていました。

その中で真実に気づいた者たちは、抵抗のために「ザイオン」という都市を築き、マトリックスから脱出しようとしていました。モーフィアスはこの世界を救う「救世主」を探しており、それがネオであると信じていました。ネオは真実にショックを受けますが、次第に現実を受け入れ始めます。

ネオはマトリックスで戦うための技術やプログラムを自らの脳に書き込み始めます。その学習速度は驚異的でした。一定の段階に達したネオに対し、モーフィアスは彼を試します。ネオの能力に船のクルーたちは驚嘆しますが、仮想現実の中で心の強さを試すテストにおいて失敗した彼に、何となく落胆の雰囲気が漂います。訓練を終えた後、ネオは口から血を流していることに気付きます。心と体がつながっており、仮想空間での死は現実の死と同等でした。

マトリックス内での不要物を排除するプログラム、エージェントは、自在にマトリックス内の人間に憑依できる能力を持っていました。その中で、エージェントと船のクルーの一人が密かに会話していました。彼は現実世界の不満を抱き、モーフィアスを裏切る計画を進めていました。

モーフィアスたちは、預言者であるオラクルに会うためにマトリックスに入りますが、裏切り者によってその侵入が知られていました。オラクルが

モーフィアスを見つけ出すようにネオに言ったという情報を得たエージェントたちは、部屋に全員で押し入ります。