映画「12人の優しい日本人」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

事件の概要と陪審員会議の始まり

被告人は21歳の美しい女性です。

彼女は事件当日、酔った夫が妻に掴みかかったため、正当防衛を主張していました。

このため、陪審員会議に集まった12人の陪審員のほとんどが「無罪」を支持し、即座に結論が出るかと思われました。

 

審議の展開

しかし、2号の陪審員が無罪の根拠を一人一人問い詰め始めたことから、議論は急展開を迎えます。

陪審員たちは有罪派と無罪派に分かれ、感情的な議論が白熱していきました。

次第に有罪の可能性が強くなり、有罪派は以下の3点を主張しました。

  1. 被告が外出前に子供にピザを注文していた
  2. その日に家に帰らないことを予測していた
  3. 計画的な殺意があった

一方で無罪派は、「ピザの大きさによるが、宅配ピザのような大きなものを子供一人のために注文するだろうか?自分も帰って食べる予定だった」と反論しました。

議論は平行線をたどり、実際にドミソピザ(一番小さいサイズ)を注文することになりました。

 

事件の再考

ピザが届く間、奇抜な服装をした11号(豊川悦司)が事件の謎解きを始めました。

証言者の主婦は遠くから見ていただけで、周囲は暗く、「突き飛ばした」という証言はあてにならないと主張しました。

また、「トラックの運転手は本当にクラクションを鳴らしていたのか」という疑問も提起されました。

実際にクラクションが鳴らされていれば、証言者の主婦は振り返って事件を見ているはずですが、主婦は「急ブレーキの音で振り返った」と主張していました。

11号は、これを証明するために銀のお盆を床に投げつけ、その場にいる全員が振り返ったことを確認しました。

 

無罪派の結論

無罪派は次のように結論づけました。

「三行半を突きつけられた被害者が、被告人(妻)にヨリを戻して欲しいと頼みに行った。逃げ回る被告人を追いかけていったが、人生に悲観し、走ってくるトラックに飛び込んだ。証言者の主婦は聞き間違えが多く、『死んじゃえ!』と聞こえたのも、被告人が被害者に怒りながら送った『ジンジャーエール!』だったのではないか。また、トラックの運転手は居眠り運転を隠すために偽証した」と。

注文したピザがあまりにも大きすぎず、被告人も帰って一緒に食べるつもりだったという結論に達しました。

 

「被告人は、あなたの奥さんじゃないですよ」

最初に戻り、11対1で「無罪」が多数派になった時、2号は依然として「有罪」を主張していました。

しかし、彼は自身の妻と別居しており、今回の被告と彼の妻がオーバーラップして憎んでいただけでした。

そこで、11号が「被告人は、あなたの奥さんじゃないですよ」と冷静に言うと、2号は黙るしかありませんでした。

改めて陪審員に意見を訊くと、無罪で満場一致となりました。

最後に、陪審員たちは陪審員証を返し、無事に陪審員会議は終わりました。