映画「身代わり忠臣蔵」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

大石内蔵助

貧しい身なりの僧が道行く人にお布施を頼んでいましたが、誰もお布施をくれず、僧は橋の上から飛び降りようとしました。

ところが誤って川に落ちてしまい、たまたま川で釣りをしていた一人の侍に助けられました。

その侍は赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助であり、僧は高家の吉良上野介の実の弟・孝証でした。

 

時は元禄14年(1701年)

赤穂藩主の浅野内匠頭は朝廷からの勅使を接待する役目を担っていましたが、儀式を担当する上野介は内匠頭に儀式のやり方を教えず、不満が募っていきました。

その頃、孝証は実家の吉良家に金をせびりに訪れていました。

兄の上野介とは折り合いが悪く、家老の斎藤宮内から馬小屋で寝るよう命じられるなど粗末に扱われていました。

 

元禄14年3月14日

江戸城・松の廊下で内匠頭は上野介にからかわれたことから怒りを爆発させ、刀を抜いて上野介を斬りつけました。

将軍・徳川綱吉の重臣である柳沢吉保は、この事件で上野介が死亡した場合は吉良家を取り潰すとしました。

斎藤は急遽、上野介にそっくりな孝証に金を渡して成りすましてくれるよう頼みました。

孝証は江戸城に連れて行かれ、上野介と同じ箇所に刀傷をつけられました。

彼は斎藤の助言を受けながら柳沢の尋問を乗り切りましたが、上野介はそのまま死亡してしまいました。

刃傷沙汰を起こした内匠頭は切腹を命じられ、赤穂藩は取り潰しが決定しました。

大石は急遽、赤穂城に藩士たちを招集しましたが、意見が分かれてまとまりませんでした。

 

討ち入り

その頃、孝証は斎藤から報酬を受け取り、上野介の身代わりを続けるよう頼まれました。

孝証は上野介の日常の所作を学び、上野介が常に傲慢で侍女の桔梗にセクハラをしていたことを知りました。

浪人となった大石は江戸に来ており、吉原の遊郭で偶然孝証と出会いました。

孝証は自分を助けてくれた大石を思い出し、二人は意気投合しました。

大石のもとには赤穂浪士たちが次々と訪れ、吉良邸に討ち入りすべきだと主張しました。

孝証は自分の身の上がばれないよう振る舞いつつ、討ち入りは良くないと主張しました。

 

身代わり

孝証は斎藤に赤穂浪士が討ち入りを計画していることを伝えましたが、斎藤はそれを信じませんでした。

孝証は自分の命が狙われることを怯えましたが、柳沢が嘆願書を一蹴したことから、赤穂藩再興の望みが絶たれたことを危惧しました。

柳沢は孝証に吉良邸を辺鄙な場所に移すよう命じ、そこで赤穂浪士を全滅させる作戦を提案しました。

孝証は身代わりを降りて隠居しようとしましたが、斎藤は孝証に赤穂浪士が討ち入るまで身代わりを続けるよう告げました。

お家再興の望みが完全に絶たれた大石は討ち入りを決意し、妻子に罪が及ばないよう離縁しました。

孝証は大石に接近し、上野介の弟であることを明かし、討ち入りを避けるために自らを差し出す覚悟を伝えました。

大石もそれを了承しました。

 

元禄15年(1702年)12月14日

赤穂浪士は吉良邸討ち入りを決行しました。

孝証は助っ人の宿舎の戸を塞ぎ、清水一学を酔い潰させていました。

桔梗に別れを告げた孝証は赤穂浪士の前に投降し、大石は浪士たちに上野介(孝証)を斬るよう促されましたが、ためらいました。

清水が酔い潰れていたはずが立ち上がり、孝証を逃がし、孝証は上野介の部屋の抜け穴を通って小屋に入りました。

孝証は大石に自分を斬るよう促しましたが、大石は小屋の塩の袋に何かが隠されていることに気づきました。

大石は布に包んだ首級を掲げ、上野介を討ち取ったと宣言しました。

赤穂浪士たちは内匠頭の墓のある泉岳寺を目指しましたが、首級を取り戻そうとする吉良家の武士たちと押し問答になりました。