映画「母性」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。
母性
阪市で女子高生が飛び降り自殺する事件が発生し、警察は自殺と他殺の両面で捜査を進めていた。
高校教師の清佳は、亡くなった女子高生の母親が「愛能う限り大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」とコメントするのを見て、自身の母性について考え込んでいた。
清佳の母親ルミ子は裕福な家庭に育ち、父親が早くに亡くなった後は母親と二人で幸せに過ごしていた。
ルミ子は24歳の時、絵画教室で知り合った田所と結婚する。
ルミ子は自らの母親露木のことを嫌っていたが、母親が田所を気に入ったため、友人たちの反対を押し切って結婚を決意する。
その後も母親の支援を受けながら幸せな日々を送り、やがて清佳が生まれる。
火事
清佳が幼稚園に上がった頃、台風が接近していたある日、夜勤のため田所が家を留守にしていた。
その時、ルミ子の母親が家を訪れていた。
清佳がルミ子の母親と一緒に寝たいと言い出したため、一緒に寝させていたが、落雷により木が倒れ、ルミ子の母親と清佳がタンスの下敷きになってしまう。
火事が起こり、非常に危険な状況になる中、ルミ子は母親を助けようとするが、母親は代わりに清佳を助けるよう言う。
泣きながらもルミ子は母親の指示に従い、清佳を抱えて逃げ出す。
結局、ルミ子の母親は亡くなり、家も火事で失う。
清佳とルミ子の関係
ルミ子は田所の実家に居候することになり、義母との関係が煩わしくなる。
田所は無口で、清佳が高校生になってからも、ルミ子が義母に従う理由がわからない。
清佳が義母に反抗すると、ルミ子は注意し、その後も清佳が手伝おうとしても冷たく扱う。
義母が認知症を発症すると、清佳はホームに入れることを提案するが、ルミ子は反対する。
清佳とルミ子の関係は悪化の一途をたどる。
清佳を守る
ある日、清佳は父親が不倫していたことを知り、その真実について母親に迫る。
すると、祖母が清佳を守るために自殺したことを知る。
清佳は動揺し、ルミ子に詰め寄るが、ルミ子は真実を認める。
清佳は怒り、ルミ子を突き飛ばす。
この出来事でルミ子の記憶に母の死の日の出来事が蘇る。
母の自殺を止めようとしたルミ子に、母は「自分の命が未来に繋がるのが嬉しい。あなたを産んで幸せだった。ありがとう。これからは愛能う限り大切に清佳を育ててあげて」と言い残し、自ら命を絶った。
ルミ子は泣きながら清佳を守る。
私は母か娘か?
その後、清佳は自ら命を絶とうとし、失敗する。
意識を失った清佳は、ルミ子が自分の名前を呼ぶ声を聞く。
意識を取り戻した後、清佳とルミ子は手を握り合う。
成人した清佳は同僚たちと飲みながら、亡くなった女子高生について話す。
彼女は「女性には2種類ある。母と娘だ」と語る。
清佳は自分も母になり、それと同時に娘でもあることについて考える。
彼女は妊娠していることをルミ子に告げ、ルミ子は「命を繋いでくれてありがとう」と言う。
家に帰る途中、清佳はお腹を撫でながら「私は母か娘か、どっちなんだろう」と考えるのであった。