劇場版 SPEC~結~ 爻ノ篇のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

致死性を持つウイルス

当麻が感染したシンプルプランのウイルスは、実は普通のインフルエンザウイルスでした。

これに一同は安堵しますが、当麻は疑念を抱き、推理の末に湯田の本名が「ユダ(Judah)」であり、その正体がプロフェッサーJであることを突き止めます。

同じ頃、本性を現した湯田は、警察病院で厳重に保護されているSPEC HOLDERの大人たちを虐殺し、子供たちにはウイルスを感染させます。

しかし、子供たちには治療薬が効かず、次々と命を落としていきます。

当麻は、ウイルスがありふれたものであるように見せかけ、実際には普通の人間とわずかにDNAの違うSPEC HOLDERだけに致死性を持つように作成されていたことに気付き、その残酷な手口に怒りを覚えます。

 

ソロモンの鍵

瀬文が見守る中、当麻はついにSPECを使います。

彼女は先人類たちの霊体である八咫烏の群れと共に空を駆け、ファティマ第三の予言に登場する「左手に火の剣を持つ天使」として、厚木基地内での国際会議に乱入します。

八咫烏の引き起こす停電と事故で世界中が混乱に陥る中、瀬文と吉川は警視庁屋上のアンテナに登り、人類を滅ぼそうとするセカイと潤に遭遇します。

先人類である彼らの目的は、地球外から飛来したアミノ酸から変異して進化し、先人類を滅ぼした現人類からこの世界を取り戻すことでした。

吉川は彼らと口論し、屋上から転落させられます。

瀬文は潤に銃を向けますが、里子が現れ、母として潤をかばうために銃撃を諦めます。

セカイたちは時を止めて瀬文を追い払い、湯田と共に先人類復活のための「ソロモンの鍵」として当麻を操り屋上に呼び寄せますが、当麻は彼らの操作を拒絶し、呼び出したSPEC HOLDERたちと対戦します。

 

パラレルワールド

当麻たちは卑弥呼の協力でセカイらの目を欺き、彼らの予定通りに起きた基地の爆発や核ミサイルの発射をSPEC HOLDERたちの協力で停止していました。

セカイは怒りにかられ、そのSPECで卑弥呼、里子と彼女に寄り添った潤、そしてSPEC HOLDERたちを次々に消し、地上をマグマの噴出する火の海と化します。

当麻はセカイのSPECを餃子ロボを使って反射し、彼らを冥界に堕とします。

そして、冷泉の予言と卑弥呼の助言どおり、右手に宿るパラレルワールドを繋ぐ力で先人類の霊体を冥界に閉じ込めますが、その代償として自分が死ぬことで人類を守ろうとします。

 

元通りに

しかし、先人類たちは当麻の肉体を通して外に飛び出そうとし、当麻は苦しみます。

彼女は瀬文の名を叫び、現れた瀬文に自分を撃ち殺すよう頼みます。

瀬文は来世で当麻に待つよう約束し、放たれた銃弾が当麻を撃ち抜いた瞬間、世界は何事もなかったかのように元通りになります。

当麻の亡骸を前にした瀬文は、警官殺しの犯罪者として他の刑事たちに確保され、殴られる中で空に浮かぶ当麻の姿を見ます。

 

エピローグ

謎の男女の声が、この世界の時間が巻き戻されたこと、そして当麻が時間の無間地獄の中にいることを語ります。

これまでの物語から当麻の姿が消え、少し変質した世界を彼女は浮遊して彷徨い、瀬文のいる牢獄の中に辿り着きます。

瀬文は漂う当麻に気付き、その腕を捉え、当麻はその腕を握り返し、互いの存在を認識した二人は微笑み合います。

繰り返される歴史が語られ、エンドロールのあと、赤いキャリーバッグを引いた女性と坊主頭の男性の後ろ姿が雑踏の中に消えてゆきます。