映画「哀愁しんでれら」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

母親次第

福浦小春は26歳の児童相談所職員。

幼い頃に母親が家を出て行ったため、自転車屋「福浦サイクル」を営む父・正秋、高校生の妹・千夏、祖父・一郎と暮らしていた。

千夏は東京の私立大学を目指しており、正秋は学費に悩んでいた。

ある日、小春は職場の先輩・白石礼奈と共に児童虐待の疑いがある家庭を訪問。

母親に強引に子供を引き渡すよう求める小春に、上司の青柳剛は注意するが、小春は「子供の未来は母親次第」という信念を持っていた。

 

浮気を目撃してしまう

その夜、祖父の一郎が風呂場で脳梗塞を発症し、家族は慌てて病院に連れて行くが、正秋が運転中に自損事故を起こし、飲酒運転の疑いで連行されてしまう。

さらに、家が火災に見舞われ、一階の店舗部分が全焼してしまう。

心身共に疲れ果てた小春は恋人の広夢のアパートに向かうが、彼が礼奈と一緒にいるのを目撃してしまう。

ショックを受けた小春は夜道を歩いていると、泥酔して踏切の線路上に倒れている男を発見し、間一髪で助ける。

その男は名刺を渡し、タクシーで去っていった。

 

 

プロポーズ

店を失った正秋は再就職先を探すも苦労していた。

小春の稼ぎだけでは家族を養うのが難しく、千夏は進学を諦めると告げる。

小春は友人の志乃と恵美に相談し、名刺に記載されていた男、泉澤大悟に連絡を取ることにする。

大悟は小春を高級ブティックに連れて行き、豪華なプレゼントを贈り、二人は徐々に打ち解けていく。

大悟の娘ヒカリは人見知りだったが、小春と打ち解けるようになる。

大悟は正秋に仕事を紹介し、一郎を大きな病院に転院させ、千夏の家庭教師まで引き受けた。

小春は次第に大悟に惹かれ、彼のプロポーズを受け入れ、ヒカリの立ち会いのもとで婚姻届を提出した。

 

ヒカリの反抗

小春は専業主婦となり、家族のために尽くそうとする。

しかし、ある日、大悟の趣味の部屋に入ると、家族の肖像画や兎の剥製を見つけ、不安を感じる。

大悟はそれらが彼の宝物であり、見せたかっただけだと説明するが、小春は結婚指輪が見つからず、さらに不安を募らせる。

ヒカリの学校で、ヒカリが同級生の横山渉にいじめられているのではないかと疑う大悟。

しかし、小春が弁当に異物を混ぜてもヒカリは何も気づかずに食べてしまう。

小春は再び美智代を訪ね、大悟の過去を聞き、ヒカリの反抗にどう対処すべきか悩む。

 

哀愁しんでれら

小春は再び大悟の趣味の部屋を訪れ、「family」と書かれたスケッチブックの中に、前妻とヒカリ、そして顔が黒く塗り潰された小春らしき女性の絵を見つける。

そこに現れたヒカリと口論になり、思わずヒカリを叩いてしまう。

このことが大悟に知られ、小春は家を追い出される。

実家に戻った小春は家族と疎遠になり、踏切の線路に横たわる。

しかし、そこに大悟が現れ、小春を救い出し再び結婚指輪をはめて「帰ろう」と優しく声をかける。

 

児童たちの屍

翌日、ヒカリが学校で靴を盗まれたと訴える。

小春と大悟は学校に行き、ヒカリを擁護するが、渉がヒカリが同級生の来実を突き落としたと証言する。

小春はヒカリを信じようとするが、ヒカリの発言を思い出し不安になる。

ヒカリを守るために、小春は大悟にインフルエンザの予防接種をインシュリンにすり替える計画を提案。

集団接種の日、小春は教壇に立ち、全校児童に注射を行う。

教室に転がる児童たちの屍を前に、小春は自問する。

「私は幸せになれるのだろうか」