映画「去年の冬、きみと別れ」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

ある事件

フリーライターの耶雲恭介は、ある事件の記事を編集社のベテランライター小林良樹に持ち込みます。

その事件とは、異才のカメラマン木原坂雄大が撮影中に発生した火事で、モデルの女性が焼死したというものでした。

この事件はすでに裁判で決着がついており、雄大は過失致死傷で執行猶予の判決を受けています。

小林は解決済みの事件は記事にならないと取り合いませんが、恭介は「結婚を控えており、自分の力を試したい」と熱弁し、小林は渋々協力を承諾します。

恭介は、雄大が故意に女性を助けなかった可能性があり、その時の写真が存在するかもしれないと主張しますが、証拠はありません。

小林は「裏を取らないと記事にできない」と言い、恭介は事件の本格的な調査を開始します。

 

取材

恭介は雄大に取材を許され、次第に雄大のスタジオに出入りするようになります。

小林はあまり深入りしないよう警告しますが、恭介は雄大や彼の姉・朱里など周囲の人物にも熱心に取材を続けます。

雄大の父親が彼の幼少期に刺殺されていたことが判明します。

雄大と朱里は父親から虐待を受けており、姉弟が殺害した可能性も考えられましたが、刺し傷は子供が付けられるようなものではなく、第三者の関与も立証されませんでした。

 

裏垢

取材に明け暮れる恭介は、婚約者の松田百合子との関係を疎かにし、ついに百合子のバイト先の喫茶店で口論になります。

その様子を外から雄大が見ていました。

雄大は取材を通じて百合子に興味を持ち、接近しようとしていたのです。

恭介と百合子の関係はさらに悪化し、百合子は姿を消してしまいます。

恭介は百合子のTwitterの裏アカウントを見つけ、彼女が雄大のスタジオに監禁されていることを知ります。

急いでスタジオに駆けつけると、雄大が現れ、百合子の写真を見せて「彼女は自ら望んでここに来た」と言います。

 

焼死

小林も駆けつけますが、スタジオはすでに炎に包まれていました。

恭介は百合子がいる部屋に辿り着きますが、火の手が回り、狂ったようにシャッターを切る雄大の姿がありました。

その先には燃える百合子の姿が…。

百合子は焼死し、雄大は殺人犯として逮捕されました。

最愛の人を失った恭介は抜け殻のようになり、小林も自分の非力さに打ちのめされます。

しかし、今回の事件に違和感を覚えた小林は、恭介のことを調べ始めます。

そして、驚くべき事実が浮かび上がります。

 

真実

実は、恭介には別の目的がありました。

彼の名前やフリーライターの肩書きはすべて偽物で、恭介は最初の焼死事件の被害者・吉岡亜希子の元恋人だったのです。

恭介は亜希子への強い思いから関係が崩れて別れましたが、彼女への未練を捨てきれませんでした。

亜希子は雄大に監禁され、焼死したのです。

事件には雄大の姉・朱里も関与しており、彼女は燃える人間に執着する雄大のために亜希子に火を付けました。

さらに、小林も木原坂姉弟と関わっており、父殺しの共犯として朱里の言いなりになっていたのです。

小林が恭介に調査を止めるよう言ったのは、この事実が露見するのを恐れていたからでした。

 

復讐

恭介は朱里との接触で真実を知り、復讐を決意します。

彼は雄大を確実に死刑に追い込むために、2人の殺人犯として仕立て上げる計画を練りました。

ネット掲示板で知り合った女性に婚約者を演じさせ、雄大を誘い出します。

この女性が百合子だったのです。

百合子はわざと監禁され、隙を見て脱出。

恭介は朱里を睡眠薬で眠らせて誘拐し、スタジオに連れ込み百合子と入れ替えて火を放ちます。

スタジオに戻った雄大は火に歓喜し、燃えるのが実の姉とも知らずに写真を撮り続けました。

現場に居合わせた小林も、燃えているのが溺愛した相手とも知らず見ているだけでした。

すべてを知った小林は「お前こそ狂ってる、化け物だ」と泣き崩れます。

恭介は「復讐のために今までの自分を捨てた」と話し、本当の別れは化け物になると決心した去年の冬だったと明かします。