劇場版「名探偵コナン 世紀末の魔術師」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。
ロマノフ王朝の遺産
「インペリアル・イースター・エッグ」が鈴木財閥の蔵から発見され、怪盗キッドから「それを頂きに参上する」という予告状が届いた。
これは、ロシア皇帝が作らせた51個目のエッグで、「メモリーズ・エッグ」と呼ばれている。
この知らせは世間の注目を集めた。
鈴木財閥会長であり園子の父である鈴木史郎は、警察の厳重な警備に加え、小五郎にもエッグの護衛を依頼した。
コナンや蘭も同行し、大阪の展示会場へ向かうことに。
そこで平次と、その幼馴染の和葉と合流した一行は、会長室を訪れる。
謎の狙撃手
そこでは、ロシア大使館のセイルゲイ、美術商の乾、映像作家の寒川、ロマノフ王朝研究家の浦思の4人が、エッグを手に入れようと会長に直談判していた。
4人を退室させた鈴木会長は、改めてエッグをコナンたちに見せた。
エッグの中には、ロシア皇帝・ニコライ2世とその家族が本を見ている細工が施されていたが、それ以外に変わった仕掛けは見当たらなかった。
宝石専門のキッドがこのエッグを狙う理由が見当たらず、コナンは疑問を抱く。
キッド逮捕に執念を燃やす中森警部は、予告状の暗号を解読し、キッドが現れる期日だけは推理したものの、時間までは分からなかった。
中森警部はエッグを手に籠城する提案をする。
夜の大阪を巡る途中で、コナンは平次と共に暗号の完全解読に成功するが、予告時間が間近に迫っていた。
催眠ガスで眠らせた中森警部からエッグを手に入れたキッドは、マントをハングライダーに変形させて逃走する。
しかし、追いかけるコナンの目の前で、キッドは突然モノクル越しに右目を狙撃されて海に墜落してしまう。
エッグは取り戻せたが、キッドの生死や謎の狙撃手の正体は分からないまま夜が明けていった。
国際指名手配の強盗
鈴木財閥の船で東京にエッグを運ぶことになった一行。
その途中、エッグの最初の所有者だった香坂家の令嬢・香坂夏美から、52個目のエッグが存在するという話を聞き、横須賀市にある香坂の城を目指すことに。
しかしその夜、船の客室で寒川が右目を撃たれて殺される事件が発生する。
連絡を受けた目暮警部は、高木刑事と白鳥刑事を連れて船に合流。
コナンは電話で阿笠博士から、右目を狙撃して相手を殺害する国際指名手配の強盗「スコーピオン」の存在を知らされる。
ロマノフ王朝の財宝を狙うスコーピオンがエッグを奪うために現れたのだ。これ以上の被害を防ぐため、白鳥刑事も香坂邸へ同行することになった。
メモリーズ・エッグ
阿笠博士と灰原、少年探偵団のメンバーも加わり、香坂家の所有する城を訪れる。
城はエッグを設計したロマノフ王朝の細工職人である、夏美の祖父・香坂喜一が至る所に宝を守る仕掛けを施しており、地下室への隠し扉もあった。
もう1つのエッグがここにある可能性を考え、コナンたちは地下に降りていく。
地下は洞窟に繋がっており、エッグを抱えたロシア人女性の遺体を発見する。
遺体は喜一の妻であり、夏美の祖母のものだった。
52個目のエッグを51個目のエッグに入れて、傍にあった台座に置くと、ニコライ2世の家族写真が天井に映し出される。
これが「メモリーズ・エッグ」と呼ばれる所以だったのだ。
感嘆の声をあげる一同だったが、スコーピオンが既に侵入していた。
スコーピオンは銃を所持していたところを目撃した乾を殺害し、更には小五郎と蘭まで標的にし、命の危機に晒された。
ラスプーチンの子孫
コナンの機転で危機を脱したものの、スコーピオンは城に火を放って逃走。
白鳥刑事と共に追跡し、コナンはスコーピオン――浦思青蘭を追いつめる。
彼女は怪僧として知られるラスプーチンの子孫のロシア人で、ロマノフ王朝に由来する財宝全てを手に入れようとしていた。
正体を知られたため、コナンの右目を狙って発砲するが、阿笠博士に頼んで防弾性のメガネを作ってもらっていたコナンは無事だった。
スコーピオンを気絶させたコナンは、丁度良く追いついた白鳥刑事に彼女を運んでもらい、燃え盛る城を脱出した。
鳩を助けたお礼
事件が無事解決した後、事務所に帰ったコナンは蘭から「新一なの?」と問い詰められる。
今までの疑惑が爆発し、ついに真実に向き合うことになったコナン。
観念して全てを話そうとしたその瞬間、高校生の姿の工藤新一が現れた。
蘭を事務所に残し、外で話すコナンと新一の正体は怪盗キッド本人だった。
キッドは「世紀末の魔術師」と称された香坂貴一に敬意を表し、エッグを本来の持ち主に返すために盗み出すつもりだった。
洞窟に眠るロシア人女性がニコライ2世の娘・マリアであり、貴一と結婚して日本に渡ったという。
スコーピオンに狙われた後は白鳥刑事に変装して同行していた。
コナンに助けた理由を問われたキッドは気まぐれだと答えたが、それが怪我をした鳩を助けた礼だと気付いたコナンは、そのままキッドを見送るのだった。