映画「名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。
夢の中
蘭は夢の中で、弁護士の母・妃英理が何者かに銃で撃たれるという悪夢を見て目を覚ます。
不安になった蘭は電話で英理の無事を確認するが、英理は「心配しすぎだ」と笑う。
しかし、電話を切った後、英理は何かを思い出すように遠い目をしていた。
その太ももには、うっすらとかすり傷が残っていた。
その日は夜に小五郎、蘭、英理の三人が久しぶりに食事をする予定だった。
コナンも同席したレストランは、小五郎と英理にとって思い出の場所で、和やかな雰囲気が漂っていた。
しかし、小五郎が外で常連のクラブのママを見つけてそちらに夢中になると、怒った英理はそのまま帰ってしまう。
事件発生
一週間後の早朝、ジョギング中の目暮警部が何者かにボウガンで撃たれる事件が発生する。
現場には紙で作られた西洋の短剣が残されていたが、その意味はまだ分からなかった。
その後、事件は続けざまに起こる。
今度は英理が毒物入りのチョコレートを食べて倒れてしまう。
幸い、命に別状はなかったが、処置が遅れれば危険だった。
チョコレートの箱には包装紙と別に紙の花が添えられており、目暮警部を狙った犯人と同一犯の可能性が浮上する。
二つの事件の関係性を考えるコナンは、電動スケボーの調整のため阿笠博士を訪ねるが、今度は博士がボウガンで撃たれてしまった。
<コナンは、黒のオフロードバイクに乗って逃げる犯人を見つけ、探偵バッジを使って探偵団のメンバーと連絡を取りながら追跡するが、途中で完全に見失ってしまう。
ジョーカー
阿笠博士の元に戻ると、そこには数字の8のような形の紙が残されており、コナンは一連の事件がトランプのカードに関連していることに気づく。
目暮十三(13のK(キング))、妃英理(12のQ(クイーン))、阿笠博士(11のJ(ジャック))という被害者たちは、いずれも絵札に描かれたものを模した遺留品を現場に残されていた。
被害者はすべて、少なからず小五郎に関わっている人物ばかりだった。
小五郎に恨みを持つ人物として浮上したのは、10年前に小五郎が逮捕した元トランプ賭博のディーラー・村上丈だった。
彼は一週間前に仮出所して行方不明になっていた。
「ジョーカー」の異名を持つ村上による、小五郎への復讐の可能性があると推理したコナンたちは、白鳥刑事から小五郎と村上の間で起きた事件の話を聞く。
次の標的
10年前、村上は警察署の取り調べ室から脱走し、幼い蘭と訪問中の英理を人質に取った。
小五郎は村上に向けて発砲したが、その弾は英理の足に当たってしまった。
村上は取り押さえられたが、小五郎は署内での発砲と人質の負傷の責任を問われ、辞職に追い込まれた。
英理が家を出たのも、その直後だったと蘭は思い出す。
次の標的が「十」の付く人物だと知り、小五郎はクラブのママ十和子を警護する。
しかし、狙われたのはもう一人の知り合いであるプロゴルファーの辻弘樹だった。
彼の名前にも「十」が含まれていると気づいたコナンたちは、辻の趣味であるヘリの操縦に同行することになった。
辻は軽口をたたきながら操縦していたが、突然視界を失い操縦不能に陥った。
コナンの支援で不時着には成功したが、辻の目の回復には時間がかかり、全米オープンへの参加は不可能になってしまった。
次の犯行
次の犯行を防ぐために「九」の付く人物を探すが、特定できないまま、「八」の付くワインソムリエの沢木公平を思い出す。
沢木を訪ねると、海洋娯楽施設「アクアクリスタル」でレストラン経営を打診されていたと聞かされる。
オーナーの名前を見ると旭勝義に「九」を見つけたが、多少の面識がある程度で親しい訳ではないと小五郎は首をかしげる。
沢木を護衛するため、コナンたちはアクアクリスタルへと向かう。
アクアクリスタルに招待されていたのは沢木だけではなく、旭に呼ばれた他の4人もいた。
彼ら全員の名前には2、4、6、7の数字が含まれていた。
小五郎は3がいないことを不思議に思っていると、白鳥刑事が自分の名前が白鳥任三郎であると教える。
これにより、小五郎を含めて2から8までが揃ったことに驚愕する一同。
残るは1のエースだけだが、工藤新一ではないかという指摘に、コナンも納得する。
元の姿ならば、自分がこの事件に関与していただろうと。
犯人は右利き
海中にある施設に入った一行だが、オーナーの姿は見当たらない。
手分けして内部を調べると、エレベーターや非常口が封鎖され、閉じ込められてしまった。
焦るコナンたちを尻目に、旭はすでに死体となっており、招待客の小山内奈々も停電中にナイフで刺されて殺されていた。
小山内の死体を調べたコナンは、左手で肩を強く掴まれた跡を発見し、犯人が右利きであると推理する。
そして、容疑者と思われていた村上が左利きであることに気づき、犯人が一緒にいる誰かであると察したコナンは、皆のズボンの裾を確認し、暗闇の中で動いた人物が犯人だと考えた。
突如、仕掛けられた爆弾でアクアクリスタルが爆発し、大量の海水が流れ込んでくる。
浸水する穴から外へ出ようとするが、蘭が展示されていた車に挟まれ動けなくなってしまった。
助けようとするコナンも足を挟まれてしまう。
蘭が人質に
蘭に口移しで息を繋いだコナンは彼女を救出し、急いで海上に向かい泳ぎ出す。
施設の上層に到着すると、小五郎を眠らせ、真犯人を推理するコナン。
真犯人はソムリエの沢木公平だった。
ワイン室のボウガンは彼の自作自演であり、スーツのポケットから小山内が落書きしたワインのコルクが決定打となった。
犯行を認めた沢木は、バイク事故で味覚障害になった原因を作った小山内や、自分のワインソムリエとしてのプライドを傷つけた人物を殺害する計画を立てた。
偶然出会った村上に罪を着せるため、小五郎の関係者を狙い、カモフラージュとして犯行を行ったのだ。
村上はすでに沢木に殺されていた。
残りの爆弾を爆破させた沢木は、蘭を人質に取りヘリポートへ向かう。
旭の名前を使って逃亡用のヘリを呼んでいた沢木だったが、異常に気づいた操縦士が空中で停止し、無線で連絡を取る。
その間に追いついたコナンと小五郎たち。
白鳥刑事が銃を構えて人質釈放を促すが、彼の腕は全く役に立たなかった。
沢木は白鳥刑事に銃をコナンに持ってくるよう命じる。
このままでは間違いなく蘭は殺されてしまうと考えたコナンは、突破口を探る。
中間まで来たところで、小五郎が英理を撃った理由の真実に気づき、蘭に向けて銃口を向ける。
足を撃たれて崩れ落ちる蘭。
その隙をついて小五郎が沢木を投げ飛ばし、取り押さえて蘭を救出する。
怪我をした人質は動けず、そのまま犯人の足かせとなった。
足を撃った理由
小五郎は人命を優先し、被害を最小限に抑えるために英理を撃ったのだ。
ハワイで父親から銃の扱いを習った経験に感謝するコナン。
蘭も英理を撃った真相を悟り、新一を示すエースのトランプを見つめ微笑む。
彼も父のように自分を助けただろうかと思いを馳せる。
後日、英理から小五郎が発砲した理由を知っていたと聞き、別居の理由を訊ねると、「痛い足を我慢して作ったご飯をまずいと言った」のが原因だったと恨めしげに話す。
蘭同様、コナンも彼女の料理の味を思い出し、「そう言えばお母さんの手料理って……」(超不味かったよなぁ……)と考えるのだった。