映画「罪の声」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

 

1984年

有名なおまけ付きお菓子メーカー「ギンガ」の社長が誘拐されました。

犯人は「くらま天狗」と名乗り、10億円の身代金を要求しましたが、誘拐された社長は自力で監禁場所から脱出しました。

その後、「くらま天狗」は店頭のお菓子に青酸カリを混入し、警察に脅迫状を送る事件が発生しましたが、犯人は特定されず、事件は未解決のまま時効を迎えました。

 

 

35年後

新聞社に勤める阿久津は、平成から令和への時代の変わり目に、この未解決事件を取材する企画を任されます。

戸惑う阿久津は、社会部の鳥居から情報を得て、ロンドンに向かいます。

当時、怪しい動きをしていた中国人についての噂を聞き、それを知るとされるソフィに会いますが、「中国人は知らない」と言われ、阿久津は手がかりを失います。

一方、テーラー曽根の二代目店主である曽根は、家の押し入れから父の名前が書かれた箱を見つけます。

中には英語で書かれた手帳と、1984年の日付が記されたカセットテープが入っていました。

再生したテープには、幼少期の自分の声が録音されています。

「きょうとへむかって いちごうせんを にきろ ばーすてーい じょーなんぐちの べんちの こしかけ」

かつての自分が読み上げる言葉に驚く曽根は、手帳に書かれた「GINGA」と「MANDO」の文字を見て、かつてのギンガ・萬堂事件を調査し始めます。

そして、時効を迎えた事件で使用された脅迫の声が、自身の幼少期の声と同じであることに気づきます。

 

くらま天狗の会合

曽根は父・光雄と親交のあった仕立て屋の川村に、手帳とテープに関する情報を求めて訪ねました。

そこで、祖父の死がギンガと深く関わっており、死んだと思われていた叔父の達雄がまだ生きていることを知ります。

その後、光雄と達雄の幼馴染である藤崎に会い、二人の若き日の写真を目にします。

そして、最近達雄と連絡を取ったとされる小料理屋を訪れます。

そこで驚くべき事実が判明します。

小料理屋で行われていたのは、くらま天狗の会合だったのです。

そこには達雄だけでなく、耳のつぶれた男もいました。

その男は元警察官の生島秀樹で、当時中学生の娘・望と息子・聡一郎がいました。

曽根は望の担任に話を聞きますが、生島一家が突然いなくなったことを知らされます。

 

買い占め

ロンドンから戻った阿久津は、水島からの情報で、ギンガ株の外国人による買い占めが進んでいることを知ります。

当時の状況に詳しい立花という証券マンに会うと、彼はギンガ株の外国人による買い占めは、偽装された口座を使った空売りだったのではないかと指摘します。

そして、「ギン萬事件」は、この空売りを利用して利益を得ていた可能性があると述べます。

これが事実なら、「くらま天狗」の本当の目的が明らかになります。

さらに、阿久津は金田という男が、犯人であるキツネ目の男と深い関わりがあることを突き止めました。

その金田のスポンサーである上林を追い、曽根が向かった小料理屋に到着します。

そこで、曽根が入手した情報を阿久津も得ます。

そして、このつながりを通じて、阿久津は曽根と出会うことになります。

曽根は、真相を求めて阿久津と共に行動することを決意します。

 

総一郎の居場所

青木組の建築会社で発生した放火殺人事件で容疑者にされた津村と、中学生ぐらいの男の子が行方不明になったことを知った阿久津。

その男の子が生島総一郎だと感じ、岡山に向かいます。

そこでついに総一郎の居場所を突き止め、彼との面会を取り付けます。

総一郎との対面後、二人は彼から当時の真相を聞くことに成功します。

失踪がすぐに青木組に露見し、建設会社の寮に即座に軟禁されたこと、その後姉の望が逃げ出し、キツネ目の男に捕まり殺されたことが明らかになります。

姉の死を目撃し、青木組のパシリとして利用された総一郎。

彼は津村とともに火を放ち、共に逃亡することを決断し、その後消息を絶ちました。

苦境に立たされた総一郎は、事件が時効になり、青木組が解散したことを知り、安堵の涙を流します。

 

曽根の母・真由美

入院していた曽根の母・真由美が一時退院し、家に戻ってきます。

曽根は勇気を振り絞り、母に手帳やカセットテープのことを問い詰めます。

その際、母から衝撃的な告白があります。

実は、テープに録音されているのは母・真由美自身の声だったのです。

真由美は、父の死に関して警察に不信感を抱いており、反体制運動にも参加していました。

そして、知り合いの達雄からギンガ事件に協力するよう依頼されたのです。

真由美は、当時まだ幼かった曽根に脅迫文を読ませ、録音したのです。

曽根は母に、子供が罪を背負うことの重大さを問いますが、真由美の怒りは達雄によって煽られていたのです。