行方不明
沙織里(石原さとみ)と豊(青木崇高)の夫婦は、駅の近くでビラを配っていました。
3ヶ月前に、6歳の娘・美羽が行方不明になったのです。
そこに、静岡のローカル局のテレビ取材班が訪れます。記者の砂田(中村倫也)、カメラマンの不破(細川 岳)、新人記者の三谷(小野花梨)がいます。
沙織里の弟・圭吾(森 優作)は取材に協力的ではありません。
それに対して、沙織里は「なんで出てこないの!」と激怒し、弟の家に押しかけます。
仕方なく取材に応じた圭吾ですが、無言であったり、一言だけ話したりと、無気力な態度を見せます。
彼が以前警察に白い車を見たと言ったことが、後になって見間違いだったと分かります。
ドキュメンタリー
ドキュメンタリーが放送された結果、多くの情報が寄せられましたが、その多くは信頼性に欠けるものでした。
それどころか、娘が失踪した日に沙織里がアイドルのライブに参加していたことが再び話題となり、誹謗中傷が広がります。
さらに、弟の圭吾も取材時の様子から不審がられ、犯人だと疑われることになります。
沙織里は、「美羽ちゃんらしい人を見かけた」というメールを受け取り、夫の豊の運転で愛知県蒲郡市へ向かいます。
しかし、返信が途絶えたままその日は会えないと言われ、最終的にはアカウントが削除されてしまいます。沙
織里はホテルにいた女の子に「美羽!?」と駆け寄りますが、豊から「こんなところにいるはずがない」と言われ、「わぁぁぁぁぁ」と叫びます。
その夜、豊はタバコを吸いながら涙を流します。
美羽の誕生日
美羽の誕生日が近づく中、沙織里と豊はお祝いをすることにします。
テレビ局の砂田はその様子を撮影したいと言いますが、誕生日当日は選挙報道で忙しくなる予定です。
沙織里は「今やりましょ」と提案し、飾りつけを始めます。
カメラマンは電話でケーキを注文し、プレートのメッセージも指定します。
豊は「それは違うんじゃないか」と批判しますが、撮影は進められます。
沙織里がビラを配っているとき、砂田がもっと悲しげな様子を指示します。
それに対し、沙織里は「撮影は必要ない」と言い、ビラを持ち帰ろうとします。
砂田とカメラマンは車を出しますが、沙織里は走って車を止め、ドアを叩きながら撮影をお願いしたいと懇願します。
圭吾のアパート
さらに情報を得るため、沙織里は弟の圭吾のアパートに向かい、「取材を受けろって言ってるの!」とドアを叩き続けます。
「出たくない!」と叫ぶ弟を、半ば強引に説得します。
公園のベンチで圭吾は砂田のインタビューを受けますが、やはり受け答えが不自然です。
砂田が丁寧に聞き出すと、失踪当日に圭吾が闇カジノに行っていたことが明らかになります。
テレビ局に報告すると、上層部からは弟のことを報道するよう指示されますが、砂田は沙織里のインタビュー後に判断してほしいと言います。
沙織里のインタビューでは、美羽が落書きした絵について話し、消そうとしたがそのままにしてあることを語ります。
感情的に美羽のいなくなった辛さを訴え、「なんでもないようなことが幸せ」と言ったとき、カメラマンが「虎舞竜」とつぶやきます。
「今のセリフは言わないほうがいいですよね」と、視聴者が気になると指摘するのです。