映画「首」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。
天正七年
織田信長に反旗を翻した荒木村重は、攻め落とされた有岡城から一人逃げ出していました。
村重を取り逃がしたことで、信長は激怒し、「お前が逃がしたのか?」と明智光秀を疑い、飛び蹴りを食らわせます。
光秀はその時、過去に村重が信長から刀で刺された饅頭を食べさせられ、血だらけの口に熱い接吻をされた出来事を思い出します。
旅芸人の曽呂利新左衛門は、口のきけない仲間二人と共に、有岡城の城門で敵兵に化けて脱出しようとしていた村重を捕まえます。
その頃、京都六条河原では、村重の一族数十人の斬首が行われていました。
丹波の百姓、為三と茂助は、女や幼子も容赦なく殺される様子を見守ります。
興奮した群衆が柵を壊してなだれ込むと、二人も一緒に入り込み、死体から物を盗みます。
茂助は子供が持っていたでんでん太鼓を手に入れます。
千利休の茶室
一方、千利休の茶室には光秀など信長の家臣三名が訪れます。
以前、村重の説得に失敗した光秀は、村重を匿っているのではないかと疑われますが、ここでもきっぱりと否定します。
しかし散会後、利休に引き留められた光秀が見せられたのは、捕らえられた村重の姿でした。
光秀は一旦は刀を抜くものの、村重を自分の亀山城に運ぶよう指示します。
翌年、羽柴の軍勢が村に差しかかり、為三と茂助は侍になるため合流します。
しかし、すぐに敵襲に遭い全滅。
死体の下で生き残った茂助が起き上がると、為三が敵将の首を持ってきました。
二人でこれを持って侍に取り立ててもらおうと喜ぶ為三を茂助は腹を刺し、首を奪います。
その様子を曽呂利たちが見ていました。
信長の手紙
茂助は曽呂利たちの仲間となり、千利休の使いとして鳥取城を攻める羽柴秀吉の陣までやって来ます。
そこでは黒田官兵衛の作戦で兵糧攻めが行われようとしていました。
役目を終えた曽呂利たちは雑兵たちを相手にイカサマ博打をして袋叩きにされそうになりますが、曽呂利を面白いと思った秀吉に助けられ、仕事を与えられます。
それは生きて帰れないようなもので、甲賀の里にいる光源坊から「信長の手紙」を預かってこいというものでした。
道中、丹波で茂助の村を通りますが、焼き討ちに遭い村人は皆殺しにされていました。
茂助は呆然としますが、せいせいしたと言い先を急ぎます。
甲賀の里に近づくと、曽呂利たちは囲まれていました。
近づいてきたのは「般若の左兵衛」、甲賀の抜け忍である曽呂利の兄弟子でした。
左兵衛の案内で光源坊に会い、首尾よく信長の手紙を手に入れた曽呂利は、左兵衛に金を渡す約束をします。
その夜、里では祭りが行われ、片手や片足のない者たちが白目を剥いて踊る異様な光景に茂助は圧倒されます。
馬揃え
光秀と村重は、以前から恋仲でした。
亀山城で抱き合い、家康を陥れるための策略を練ります。
しかし、その計画を左兵衛と曽呂利が天井裏から盗み聞きしており、光秀は気配を察知し、光秀は部下の斎藤利三に対し、「曲者を見つけ出せ」と命じます。
その後、京都では信長の威光を示す「馬揃え」が開催されました。
光秀は全てを取り仕切り、その姿に羨望の視線が注がれますが、百姓出身の秀吉は参加していません。
秀吉は信長からの手紙を受け取り、失望します。
手柄を上げた者に跡目を譲ると公言していた信長ですが、手紙には裏切り者を斬るよう指示が書かれていました。
怒り狂う秀吉にとって、信長の言葉は嘘ばかりでした。
忍びは使い捨て
光秀は信長が寵愛する森蘭丸との情事を目撃し、その後弥助にからかわれる光景を見て苦々しい表情を浮かべます。
毛利攻めの途中で呼び出された秀吉が安土城に到着すると、信長は秀吉を侮辱し、光秀が止めようとすると弥助によって外に投げ出されます。
更に、信長によって光秀は暴行を受け、抵抗することなく口づけを強要されます。
その後、秀吉たちは光秀を呼び出し、信長の行動に同情しつつも村重について尋ねます。
光秀は以前の裏切り者が秀吉の部下であったことを理解し、甲賀の里を滅ぼしてしまったことを後悔します。
秀吉は「忍びは使い捨てだ」と言い放ち、村重を殺すよう提案します。
光秀ははぐらかしますが、秀吉は信長の手紙を読み上げ、光秀を煽り立てます。
秀吉たちは家康を訪ねる
信長と光秀が危険だと警告し、気をつけるよう忠告した後、突然、土下座した秀吉は信長に何かあった場合に、一度だけ自分に天下取りの夢を見させてほしいと頼みます。
家康は困惑し、秀吉の行動に戸惑います。秀吉は家康の草履を取り違えたことを後悔し、荒れ狂います。
家康を守るように派遣された曽呂利たちが家康の本陣に到着しました。
彼らは、家康のために連れてこられた女性たちが間者であることに気付き、信頼を勝ち取ります。
戦場では家康の影武者が矢に射抜かれますが、すぐに次の影武者に交代します。
しかし、すぐに次の影武者も殺され、今日の影武者が尽きてしまいます。
家康が座ろうとすると、忠勝が危険だからと制止します。
信長と光秀は、家康を確実に殺すために毒を用意しました。
祝勝の宴で家康に毒の鯛を供し、早く食べさせようとしますが、家康は食べたフリをして汁椀に隠していきます。
皆が部屋を出ている間に、家康が食べたフリをしていたことが発覚し、怒った信長は光秀を殺すよう命じます。
光秀は必死で信長に訴えますが、信長は光秀を殺すよう外国人宣教師に命じます。
光秀は刀を奪い取り、宣教師を斬り捨てると、信長に抱きしめられます。
その後、信長は家康に罰を与えることを宣言し、再度家康の殺害を命じます。