映画「花腐し」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

映画『くちびる』

2012年12月。ピンク映画監督の栩谷修一は、元恋人で女優の桐岡祥子の通夜に出席しました。

しかし、祥子の両親は彼女が家を飛び出して女優になり、音信不通になったことを根に持っていました。

そのため、栩谷が持参した焼香や香典も全て拒絶されました。

次に栩谷が向かったのは、祥子が一緒に心中した相手であるピンク映画監督の桑山篤の通夜でした。

栩谷と桑山は友人でしたが、なぜ祥子と桑山が心中したのかは誰にもわかりませんでした。

桑山の通夜では、映画関係者たちがピンク映画業界の現状について語り合っていました。

桑山は生前、祥子が主役の映画『くちびる』を撮ることを構想しており、その台本が遺品として残されていました。

 

伊関貴久

栩谷は過去5年間、映画を撮っておらず、アパートの家賃を滞納していました。

ピンク映画製作会社社長の小倉多喜子に事務所に間借りするよう頼みましたが、小倉は会社を閉じることを決意していました。

そこで栩谷はアパートの大家である金昌勇に家賃の先延ばしを願い出ましたが、金は条件として、新しいマンションを建てるために解体する予定の古いアパートに住んでいる伊関貴久という男の立ち退き交渉をするよう求められました。

栩谷は伊関のアパートに向かいましたが、途中で突然雨が降り出しました。

ずぶ濡れになった栩谷は伊関の部屋に到着しましたが、中から女性の笑い声が聞こえました。

伊関は家賃を払っていると主張し、立ち退きを拒否しましたが、とりあえず栩谷を中に入れることにしました。

 

同棲生活を始めた

伊関は売れない脚本家であり、アダルトビデオの脚本を書いて生計を立てていました。

偶然にも伊関の取引先であるアダルトビデオメーカーは栩谷も仕事をしており、二人は意気投合しました。

伊関は栩谷に、かつて付き合っていた女性のことを話し始めました

2000年の正月。

学生だった伊関は居酒屋でアルバイトをしながら脚本家を目指していた。

ある日、同じ店でバイトをしていた祥子と出会い、やがて彼女と付き合うようになった。

伊関は祥子のアパートに転がり込み、同棲生活を始めた。

 

アダルトビデオの脚本

シナリオ大賞に応募するも不合格で、脚本家としての道は厳しく、生活のためにアダルトビデオの脚本を書くことになった。

しかし、童貞だった伊関はどう書いていいかわからなかった。

そんな中、祥子もまた処女であり、ふたりは初めての経験を共有した。

祥子は劇団で役を得て成長していく一方、伊関は脚本家としての成功に恵まれなかった。

そして祥子が妊娠したことを知り、伊関は真面目に生きることを決意した。

しかし、祥子は女優の夢を捨てられず、子供を堕ろしてしまった。

この出来事がきっかけで、ふたりの関係は破局に至った。

栩谷は伊関の話を聞きながら、隣の部屋から女性の声を聞いた。

部屋を開けると、全裸で自慰行為をしている女性がいた。

彼女は中国からやってきた留学生のリンリンであり、自ら栽培したマジックマッシュルームでハイになっていた。

 

2006年

栩谷は伊関の部屋を出て、大久保にある韓国スナックで飲んでいた。

そこに伊関が入ってきた。

ふたりは飲みながら祥子の話を始め、栩谷は伊関が付き合っていた祥子こそがかつて自分が付き合っていた祥子その人であることに気づいた。

そして、栩谷は伊関に祥子の死を伝えた。

2006年。

栩谷と祥子の出会いは、彼女が桑山と飲んでいたときに始まった。

栩谷は「俺は女は嫌い」と言い放ち、祥子にはあまり興味を示さなかったが、祥子は女嫌いでピンク映画が撮れるのかと不思議がった。

栩谷と祥子は酔い潰れた桑山を店に残して栩谷のアパートに向かい、そのまま二人は体を重ねた。

 

同棲“ごっこ”

やがて栩谷と祥子は同棲生活を始めたが、栩谷は一向にピンク映画を撮ろうとせず、気がつけば5年の月日が流れていた。

そんなある日、祥子は桑山に呼び出され、自分を主役にした脚本を書いたと告げられた。

台本を手にした祥子は浮かれながら山口百恵の「さよならの向こう側」を歌い始めた。

それからしばらくして、栩谷は祥子を伴ってベテラン脚本家の沢井誠二と話す機会を持った。

沢井は栩谷の現状を「映画も同棲も“ごっこ”、お前のやってることは全て“ごっこ”なんだよ」と厳しく言い放った。

栩谷は図星を突かれた祥子の行動に驚くなか、納得できない祥子は思わず沢井の顔にコップの水を浴びせてしまった。

 

 

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