映画「リスタートはただいまのあとで」のネタバレを含んだあらすじを紹介します。

 

帰郷

10年前、故郷の長野県を飛び出し、都会での職を見つけた狐塚光臣は、上司からの辛辣な言葉に耐え、人間らしさを否定された上に解雇されてしまいました。

行く宛もなく、10年ぶりに故郷に戻ってきたのです。

駅に降り立った光臣は、誰かが自分の名前を呼ぶ声に気づきました。

声の主は、初めて会うはずの熊井大和という男でした。

大和は光臣と同じ年齢で、光臣の実家の近所に住む農園主・熊井春男の養子でした。

光臣は戸惑いながらも、大和のトラックに乗せてもらい、実家に向かうことにしました。

大和は光臣の母・ヨシ子から彼のことを聞いており、「初対面でもないような気がするね」と、穏やかな口調で話しかけてきました。

しかし、光臣は大和の親しげな態度に戸惑いと違和感を覚えました。

 

実家の家具屋

実家は代々続く地元の老舗家具店で、光臣が帰ってきた際、父・隆利に家業を継ぐと宣言しますが、隆利は冷たく突き放しました。

自分が家業を継がずに出ていったのに、いまさら口先だけで戻ってくるなと。

光臣は仕事をまともに見つけようともせず、怠惰な日々を送っていました。

ある日、熊井家の農場で働いていた外国人労働者が急に帰国してしまい、収穫期に人手不足になった大和は光臣を強引に誘いました。

光臣はためらいながらも引き受け、翌日からは大和や春男と一緒に果物の収穫に励むことになりました。

初めは未熟で、肉体労働に疲れ果てる日々でしたが、大和や春男の指導を受けながら徐々に仕事に慣れ、農業の楽しさや労働の充実感を味わうようになりました。

その過程で、かつて毛嫌いしていた大和の優しさに心を動かされていくのです。

 

春男の入院

ある日、光臣は大和と共に収穫した果物を配達していました。

その際、大和の同級生である上田裕に偶然出会い、彼らの親密さに対する嫉妬心を抱いてしまいます。

数日後、光臣は一人で買い物に出かけた際に再び裕と出くわし、彼の姿に対して露骨な嫌悪を表します。

その時、光臣はまだ自分の本当の気持ちに気づいていなかったのです。

光臣が収穫作業に徐々に慣れてきたある日、春男が誤って怪我をしてしまい、入院することになりました。

春男の不在に戸惑う大和の弱い一面を目にした光臣は、彼との絆がより深まることを感じました。

そして、春男の親戚が訪れ、大和が施設育ちだったことを知ると、光臣は怒りを抑えきれずに表に出してしまいます。

その反応に大和は感謝の気持ちを示しました。

その夜、大和の家に泊まった光臣は、思わず大和にキスをしてしまいますが、その後、恥ずかしさから逃げるように帰りました。

 

自分のルーツ

その後の日々は気まずさに満ちていましたが、次第に普通の関係に戻りつつありました。

ある日、裕から大和が年上の女性と交際していると聞いた光臣は、彼女が涼子だと思い込みます。

しかし、実際には涼子は大和の姉のような存在であり、大和の恋人ではなかったのです。

涼子から大和の心の傷について聞かされた光臣は、彼を支えたいと強く思うようになりました。

光臣は大和やその家族との協力を通じて、仕事への情熱を取り戻し、実家の家具店を継ぐ覚悟を固めました。

大和の励ましもあり、光臣は父・隆利に真摯にその意志を伝えました。

大和もまた、自らの過去に向き合うために東京の自分のルーツを探る決意をしました。

 

 

 

続きは>>