映画「おまえの罪を自白しろ」あらすじ・ネタバレしていきます。
政治家一族
衆議院議員で内閣府副大臣の宇田清治郎は政治家一族であり、家族の中には長男の揚一朗や長女の麻由美の夫である緒形恒之、そして次男の晄司がいる。
晄司はかつて建築会社を経営していたが、倒産し、現在は清治郎の議員秘書として働いている。
清治郎は国会の委員会で、上荒川大橋の建設予定地の変更に関する疑惑を追及されていた。
彼は友人である内閣総理大臣・夏川泰平に便宜を図るために国交省や埼玉県に圧力をかけたとの指摘を否定していたが、疑惑は晴れる気配はなかった。
それでも、夏川総理や日本新民党・九條派の九條哲夫は清治郎を信頼しており、追及を振り切ることを安堵していた。
しかし、国会中継を見ていた埼玉県警の平尾宣樹刑事は、かつて清治郎が関与した談合事件の捜査が中止されたことに不満を募らせていた。
誘拐事件
そして、ある日、麻由美の娘である柚葉が何者かに誘拐されてしまう事件が発生する。
麻由美は警察に協力し、事件の捜査を進めるが、清治郎の事務所には「正義を守る会」と名乗る者からの犯行声明が届く。
犯人は身代金を要求せず、「おまえの罪を自白しろ」という要求を突きつけてきた。清治郎は憤りながらも、自分に対する脅迫だと感じる。
麻由美は柚葉の安全を願い、清治郎に記者会見を開くよう懇願する。
清治郎は秘書たちを集め、指揮権を行使して自白する決断をし、永田町に向かう。
しかし、厚労副大臣の城山は慎重な様子だった。
清治郎は事務所で夜を明かすことを決め、晄司は党内の裏仕事を知る。
一方、湯浅長官から夏川総理の支援を受けるが、清治郎は全責任を受け入れ、後継者に身内を指名するよう依頼する。
誘拐に使用された車
平尾刑事らは後援会会長の草川と会い、清治郎の対立者を探る。
柚葉の誘拐と清治郎の対立関係について考える中、清治郎と若鷺議員の間に戸畑市の青少年研修センター移転問題が浮上するが、直接の関与は疑われるのか疑問視される。
若鷺は研修センターの管理を丸産興業と結びつけていたが、清治郎は青柳建設と関係があった。
しかし、柚葉の誘拐に使用された車は、丸産興業の下請けである秋本園芸から盗まれたものである可能性が出てきた。
日本新民党
日本新民党は、清治郎の後継者を宇田家の人間にすることに同意したが、指揮権を行使せずに清治郎が会見に臨むことになった。
清治郎は辞任と離党をほのめかしつつ、過去の二つの罪を自白したが、上荒川大橋の問題には触れずに会見を終了した。
晄司と平尾刑事は、清治郎が上荒川大橋について触れなかったことに不安を感じていた。
再び誘拐犯からの連絡があり、再度記者会見を開き、全ての罪を自白しなければ柚葉の命が危ないと脅迫される。
晄司は疑念を抱き、清治郎に問いただすと、清治郎は国交省から派遣された官僚が情報を野党にリークしたことを明かしました。
木美塚壮助
その官僚がリークしたのは、夏川総理の政敵である日本新民党の幹事長である木美塚壮助だと晄司が突き止めました。
晄司は夏川総理よりも木美塚側につくことが得策だと考え、木美塚に寝返ることを決意します。
晄司は清治郎に夏川総理が宇田家を見捨てたことを伝え、再度の会見で清治郎は上荒川大橋の問題を告白しました。
本来の建設予定地から5km南に変更されたのは、夏川総理の友人が経営する会社が悪化しており、便宜を図ってほしいという議員の要望があったためでした。
その議員は「次の内閣改造が楽しみになる」と述べていたのです。
姉弟の父である清則が経営していた寺中建材工業が、上荒川大橋の建設予定地にあったことが問題の始まりでした。
4年前
清則の会社は立ち退きの補償金が支払われる見込みで、事業拡大の計画を進めていました。
しかし、清治郎と夏川総理の密約により大橋の建設予定地が変更され、補償金は支払われず、寺中一家は巨額の借金を抱えることになりました。
このことに怒ったのが、自己破産していた勲でした。
勲は清則と激しい口論となり、その際に清則は階段から転落して死亡しました。
初美は弟を失いたくない一心で、勲と共に清則の遺体を荒川の河川敷に密かに埋葬したのです。
清則の遺体を埋めた河川敷付近で進行中の再開発計画によって清則の遺体が発見される可能性を恐れた初美と勲は、再開発計画を阻止するために策をめぐらしました。
初美は恒之の事務所に潜り込み、清治郎の孫である柚葉を誘拐することを計画しました。
彼らにとって、清治郎の「罪の自白」は再開発計画を妨害するための手段であり、その中身までは重要ではありませんでした。
初美は晄司らとの対面で、「誰が橋を変えたのか？ 誰が私たちの人生を変えたのか？」と問いかけ、悲しみと怒りを露わにしました。
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