四月になれば彼女はのネタバレ

大学の写真部で出会った藤代とハルは、お互いに引かれ合い、交際を始める。

しかし、写真部のOBである大島がハルに恋をしてしまう。

大学を卒業した後、大島は精神的な問題で退職し、その後は妻に支えられながら生活している。

ある日、ハルから藤代に「助けて。大島さんが!」という電話がかかってくる。

藤代が駆けつけると、大島が昏睡状態で倒れ、ハルも動揺している。

大島の妻からは、大島が以前から自殺未遂をしていたことが明かされる。

藤代には何が起こったのか分からないが、大島の妻は事情をよく理解しているようだった。

 

会いたい

その後、藤代とハルがバスを待っていると、大島が現れるが、ハルは恐れて逃げ出し、藤代を置いて去ってしまう。

その日以降、藤代は写真部に顔を出さず、ハルも姿を見せなくなる。

ハルから一度だけ「会いたい」との留守電が届くが、藤代はそれに応じないまま、彼女との関係を終わらせる。

藤代はハルとの別れから、やっと心を開けるようになった坂本弥生と婚約中。

弥生には以前、婚約者がいたが、直前で破棄した経験がある。

現在、結婚を控えた二人は高層マンションで穏やかに共に暮らしているように見えるが、実際には二年ほどもベッドを共にすることがない。

3年前に出会った頃、藤代は確かに弥生を愛していたが、今では自分の気持ちがわからなくなっている。

藤代の疑念や葛藤は解決せずに、結婚式の準備だけが着々と進行していく。

 

弥生の家出の原因

結婚式まであと4か月となった12月のある日、弥生が突然家を飛び出してしまう。

心当たりのない藤代は、みっともないと思いながらも弥生の妹・純に相談することにする。

かつて藤代は純に誘惑されかけたことがあり、一歩踏み出しかけたこともあったが、何とか未遂に終わっている。

藤代と純の危うい関係が、弥生の家出の原因と考えられそうだが、実はそうではない。

弥生は藤代が「いま幸せに思っていないこと」「なにを考えているのかさえ分からない」と感じていた。

彼女もまた藤代との共同生活で、感情を共有することを怠っていたことに気づいていた。

 

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