変な家の考察

映画「変な家」について私なりの考察をしました。

 

コブラ型とピットブル型

研究者グループによれば、家庭内暴力はコブラ型とピットブル型の2つに分類されます。

コブラ型は暴力傾向が強く、周囲の目撃者が多く、攻撃的な言動や武器の使用が特徴です。

一方、ピットブル型は暴力の対象が妻に限られ、反社会的な行動や武器の使用が少ないため、周囲には悟られにくいとされます。

柚希は自らの家庭を普通のサラリーマン家庭と語っており、家庭内暴力を目撃していない可能性があります。

しかし、喜江が殺人に駆り立てられるほど追い詰められたのは、柚希と綾乃の父である宗彦がピットブル型の暴力者であったためではないでしょうか。

宗彦は喜江を支配し、家庭内暴力を行い、綾乃を後継者として考えるようになった可能性があります。

彼は精神的に不安定であり、片淵本家の人間か、あるいは森垣清次によって殺害された可能性も考えられます。

 

ホームズとデバーガー

映画『変な家』に描かれる左手供養の儀は、FBIの定義によれば連続殺人に該当します。

この儀式では、一度の殺害ごとに数か月の冷却期間が設けられており、犯行と犯行の間には時間的な間隔が存在します。

さらに、犯罪心理学者のホームズとデバーガーによれば、連続殺人は幻覚型、使命型、快楽型、パワー・コントロール型の4つに分類されます。

『変な家』の左手供養の儀は、その中でも使命型に該当します。使命型の犯人は特定の使命感に駆られて殺害を行う傾向があります。

この使命感は幻覚型とは異なり、計画的で理性的な行動をとります。

片淵家の人々は幻覚ではなく使命感によって動かされ、計画的に犯行を進めます。

特に喜江は高度な計画性を持ち、被害者を選ぶ際も慎重に行動します。

このように、喜江と綾乃は洗脳され、使命感と依存心によって左手供養の儀を行うことで安心感を得ていた可能性が考えられます。

 

続きは>>