不完全な無表情
先日のブログにて、フリウの内装は
木と石と紙の質感を軸に構成したと書きましたが、
本日は石の要素について。
硬くて冷たいものの例えとしても使われる石ですが、
それは同時に、強さと落ち着きと静けさの象徴でもあります。
義志を中心とした個性の強いデザインたちを包み込む素材は、
無機質で涼しげなものの方が程良く波動の均整が取れるだろうという発想から
この店は石を求めました。
内装デザインの初期段階では、
玉砂利を敷こうとか石畳を置こうとか、いくつかの案があったのですが、
そこまで庭園風にするのもちょっとベタか・・・ということで、
フリウの石の要素は、人工的に石の気分を演出してくれる
モルタルを選びました。
この無機質でありながら完璧にツルツル・スベスベの単一色になりきれない
モルタルという素材は、都会的な冷たさの中にもどことなく朴とつとしたムラがあり、
人間の仕事の痕跡を感じさせてくれるところに愛嬌があります。
当然、フリウの店の床と什器を覆うモルタルの表面には、
左官屋さんの仕事が残した「表情」が浮かびます。
これもフリウの顔のひとつです。
そして、フリウ店内の中央を占拠するこの長い陳列台は、
「フ」の字になっています。
本当は「フリウ」と言いたかったのでしょう。
場所が足りずに頭文字しか主張できていませんが、
それもご愛嬌ということで。
とにかく、百聞は一見にしかず。
とても心地の良い店に仕上がっておりますので、
是非一度フリウの空間を体験しにお越しください。
義志の新作と共に(これから順番にご紹介していきます!)