福岡の中心地、天神。
大通りに沿って建ち並ぶビル。
その中の一つのビルに福ビルというビルがあり、いつも夜になると一人のおばあちゃんが台を出して座っています。
占い師、通称「天神の母」
夏の暑い日も冬の寒い日も、いつもそこに座っているおばあちゃん。
僕は人生は自分の意志で切り拓いていくものと思っている傍ら、見えない世界もあると思っているので、手相とか、占いっちゅ~やつが結構好き。
ほんとたまに天神の母のおばちゃんに会いに行ってお話するんですが、今日天神に出た帰りに久しぶりに話しに行きました。
将来のこととかも色々相談のってもらいましたが、フッとなんでおばちゃんが占い師になったのか?とおばちゃんのストーリーに興味がわいてしまい、逆質問みたいに聞いてしまいました。
「おばちゃん、なんで占い師になったと~?」(小生)
そのストーリーがまた興味深かったんです。
今、76歳のおばちゃん、戦前に産婆さんの手によって生まれたらしいのですが、身体が病弱でもう10日くらいで命がなくなるから、押し入れにでも入れておきなさいと言われたらしいんです。
でもお父さんが懸命に看病してくれ、生き長らえることができ、よく小さい頃にその産婆さんから「あの子が・・・」と言われてたらしいんです。
でもまた23歳の時に結核にかかり、もう駄目だということを言われ、病院で闘病生活。
本当に死を宣告されていたらしいのですが、ある日、夢で滝を昇る赤い蛇を見て、昇った先に観音様がいたというんです。
「きれいだった~・・・」
翌日に病気が治り、また生き長らえることができたそうです。
そして闘病生活を終えた26歳の時、一般的な仕事をしてもうまくいっていなかった中で占い師さんに占ってもらい、この道を勧められたというのです。
それから修行を積み、35歳から今までの41年間、天神に腰をおろし、人の悩みを聞き占ってきたとのことでした。
76歳の今も年に3回滝に打たれ、修行をされているというのです・・・。
・・・
(いや~面白いなあ・・・)
・・・
おばちゃん、「自分は生かされていて、これがこの世における自分の役割だから」っていいながら結核時に患った後遺症の跡をさすり、僕にお話してくれました。
・・・
改めて思います。
「この社会で何の役割を担っているか?」
それを掴めた人って、本当に自分らしく輝いているなあ。
・・・
このおばあちゃんも「社会人」。
何千何億通りの生き方があり、きっとそれぞれに大切なことがあるってことを、このおばあちゃんから学びました。
・・・
「自分の役割を全うした時にお迎えが来るから、それまではどんなにきつくても生きていかないかんよ」
・・・
おばちゃん、また来るけん。