2011年5月24日。
本当に心温まることがありました。
昨日の朝、活動区域を回っていた時、お婆さんが一人、庭の瓦礫の上に立ち、外からガラスが割れた窓枠から部屋の中の様子を見ていました。
部屋の中は家具がひっくり返り、泥が入りむちゃくちゃ状態。
その家具に手を伸ばして何かしようとしていました・・・。
「お婆ちゃん何か捜してるんですか?」と声をかけると、土地の所有権が入った金庫を捜しているというのです。
「金庫は重たいから津波に流されずにこの下あると思うんだっちゃ・・・」
見た感じ、とてもじゃないけど中に入れません・・・。
「あとお父さんの位牌もあるんだっちゃ。でも木だから流されてしまったかも・・・」
悲しそうな顔してうつむいていました・・・。
「明日、朝ボランティアの人連れてくるから一緒に探しましょう」と言って、電話番号教えてそこを離れました。
・・・
そして翌日、朝7人のボランティアと一緒に捜しに入りました・・・。
「奇跡」ってあるんだなぁ・・・。
なんと金庫も位牌も見つかったんです。
流されてもおかしくない位牌が、何の偶然か、一つの植木鉢に引っ掛かり、そこにありました。
「あっ!あったよ!」
お婆ちゃん、位牌抱きしめて泣いていました。
よかった・・・。
本当によかった・・・。
思わず神様か仏様かわからないけど、本当に「ありがとうございます」って、気がついたら手を合わせていました・・・。
本当に、本当によかった・・・。
あの時感じたもの、見たものは一生忘れられないでしょう・・・。
僕はあの一瞬が今も脳裏から離れません。
その度に心に何か温かいものがかよいます・・・。
お婆ちゃん、本当によかった・・・。
・・・
心理学者のマズローは人間の欲求を5段階層にして示しました。
衣食住の生理的欲求が人間にとって第一で、それが満たされてはじめて、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求と順に満たしたくなるという説です。
確かに生物として生き残っていくためには、まず衣食住が必要でしょう。
でも、このお婆ちゃんの家は崩壊していました。
衣食住の「住」がない中、探していたもの、求めていたものは、旦那さんのお位牌、旦那さんとの「つながり」でした。
お位牌を抱きしめて、泣いていたお婆ちゃん。
人間の欲求に階級などなく、衣食住が人間にとって必要なように、大切な人とつながっているという感覚も、これまた同じくらい人間にとって必要なことなんだろうって、僕はこのお婆ちゃんから学びました。