最近読んだ本2冊を紹介します。
どちらも、朱喜哲(ちゅ・ひちょる)さんが関係している書で、ネガティブ・ケイパビリティについて書かれている本です。
哲学者が書かれている本なので、理解し難いと思いきや、分かりやすい本でした。
ネガティブ・ケイパビリティとは、消極的な能力ということであり、これを説明する手っ取り早い方法は、逆の積極的な能力を説明することです。
我々は、義務教育の場で「積極的に意見を出し、積極的に議論し、積極的に結論を出す」ことを教えられてきました。
会社においても、同様で、積極的に問題を発見し、積極的に解決していくことを良しとしています。
私自身も、トヨタの問題解決手法として、セミナーや講演で教えている身です。
ネガティブ・ケイパビリティとは、その真逆のことです。
積極的にならない。 消極的な立場で耐える。 耐える力(能力)のことです。
故意に「答えを出さない」という考えです。
皆さんもご存知の通り、世界中で分断が広まっています。
国によっては、戦争をしています。
日本国内においても、過激な言葉が飛び交い、言いたいことを言い合い、言葉の争いから、実際の犯罪に繋がるケースも多いのです。
そういった問題は、「結論を出し急ぐ」という行為が一因だと考えています。
「正義」という言葉を振りかざし、正・悪のどちらかに振り分けようと急ぐ。
問題に対して、即結論を出す。 それが、格好いいと思われている。 格好いいというか、頭が良いと思われる。 人々は、そういう姿を目指しているのです。
そういう生き方になったのは、先ほども言いましたように学校教育や会社での問題解決の場で求められていたからなのです。
この本2冊は、その「急ぎ結論を出す」ことに警告をしています。
分断化が急速に広まる中、「とっと立ち止まって、もう少し考えようよ」と言っているのです。
直ぐに答えを出さずに、考え続ける。
混沌としたVUCAの世の中は、思った以上に複雑であり、予測もつかず、不足している知らない情報も多々あるのに、答えがすぐ出るはずが無いのです。
こういった哲学的な本も、たまには読んでみてはいかがでしょうか?

