工房では、職人たちが黙々と作業をしている。
その仕事は実に丁寧で、しかも動きが早い。 ムダな動きが一切ない。
声を掛け合わなくても、お互いの作業の進捗状況を把握しており、共同作業さえも無言で行えている。
いかに自分の作業を完璧にするかが、彼達の“今”のミッション(使命)なのである。
少し手が空くと、彼達は師匠の手の動きを観察している。
どうやったら、あの動きができるのか?と、興味深々である。
早く、師匠のような技を習得したいのである。
師匠も、あれをしろ、これをしろとは言わない。
自分の仕事を黙って見せているだけである。
師匠の手が空いた時は、弟子たちの作業を観ている。
そして、時々手を取って教えるのである。
弟子たちの嬉しい瞬間でもある。
もちろん、弟子たちは、師匠を尊敬している。
師匠も、弟子が可愛い。
そういう毎日が、知らず知らずに技を高みに導いている。
彼達は時々、他所の店に出掛けて食事をする。
そして、自分達の持っていない技を感じる。
自分の店に戻って、色々と考え、研究してみる。
その時は、師匠も弟子もない。
皆で色々な意見を出し合う。
これは、志が同じ「同志」なのである。
彼達は、自分達が何をしなければならないか、良く知っている。
自分達のミッション(使命)が明確にあるのだ。
誰に言われたわけでもない。 先代から続く魂である。
彼達は、常に修行をしているのである。
だから、常に「もっともっと」「まだまだ」と思っている。
そういう仲間達が集まっている工房。
これが、私の思うトヨタの現場のイメージである。
