「知識はあっても行動しない」そんな場面を多く見てきました。

「知っているけど出来ない。どうすれば良いか?」と相談を受けます。

出来ない理由は様々あると思うけど、根底には「そもそも、やる気がない」と言わざるを得ない。

 

本来、日本では言葉よりも行動を大事にする文化があります。

言葉はいいから、実行しろ。 良く言われることです。

日本だけではなく、東洋には、そのような思想が古くからあります。

論語の中に書かれている孔子の言葉には、

     「言葉には実体がない。 人間の行動にこそ真実がある」

とあります。

 

どういうことかと言いますと、口だけ達者なことを言っていても、行動が備わっていなければ言ったことは嘘であり、逆に、行動だけ見ていれば、その人がどのような人物かはわかるものです。

口ではなんとでも言えるのです。

実にその通りではあるのですが、西洋哲学では「真理というのは言葉にある」と言われているのです。 聖書にも「初めに言葉ありき」とあり、ギリシャ哲学においても、対話が重要視されています。

明治以降、日本にもその考え方が広まり、今では東洋的な考えをしない人が増えました。

 

大切な事は、日常生活の端々で、必要なことが確実に達成されることであり、会社においても同じです。

今日という日に、どういう目標を立て、どれだけ達成できたか? なのです。

この積み重ねが大切なのです。

そうして実行した結果、思ったような結果にならずとも、実行によって意図せず得られた知見や副産物が、意外に後々効果が出てきたりするものです。

結果というのは、頭で考えたり、言葉で表現されるものとは異なるのです。

 

真実は常に、今 この一瞬一瞬 刻々と作り上げていくものです。

だから、まず行動ありきなのです。

工場で現場作業員が議論

現場に行けば、自ずと知恵が出ます。

毎日観察すれば、おかしな点にも気付きます。

 

人財育成についても同じです。

ここでも孔子の言葉を借りますが、

「其の身、正しければ令せずして行われ、其の身正しからざれば令すといえども行われず」

 

上司が日頃から、正しい行動、言動をしていれば、指示をしなくとも部下も同じ事をします。

逆に、上司が間違った行動や言動をしていれば、指示をしても部下は動きません。

「上司は背中を見せよ」ということです。

「ああ、あの人のようになりたい」「あの人は裏切れない」と部下が思わなければ、意味が無いのです。

「言う事をきかない」と相談を受けますが、原因はこのような事です。

 

上司は常に現場に立ち、現場を観察する。

私も現役の頃は、座る時間がほとんどありませんでした。

常に現場に立っていました。

私だけではありません。 管理職といえども、事務所で座る時間はほぼありません。

そのような行動形態から変えなければ、現場は変わりません。

どんな知識を得ようが、心が変わらなければ、人は動きません。

まずは、その理解が必要なのです。

私のセミナーでは、その中心をお話ししています。

トヨタは何をしているのか?を知りたい方、トヨタはいつも現場に立って考えていますが答えです。

手法を学ぶよりも、現場に立てです。

これは、禅宗でも同じことを言われています。

「まず、座れ」(瞑想せよ)

まず、現場へ行け。 そこに、ずっと立っていろ。 そして、考えろ。

これだけの事です。