問題解決をしていくうえで、原因を特定する方法として、仮説を多く立てることが大切です。
思い込みによる決めつけをしてしまうと、偏った原因の特定をしてしまいます。
仮説は、漏れることなく立てなければなりません。
刑事ドラマでいうと、容疑者を出来る限り見つけ出すことです。
そこに漏れがあると、犯人特定にいたらないからです。
仮説は、ある程度訓練しなければ、広く出すことができません。
日頃から、仮説を多く立てる訓練が必要です。
コンサル業界では、仮説を立てたり、推定をしたりします。
推定をする手法として、フェルミ推定というのが有名です。
これは、限られた情報しか無い中で、わかりようが無い事象を推定して、大雑把な数値を導き出すものです。
例えば、日本には電柱が何本あるか推定してみます。
国土面積あたりの電柱の数を推定します。(大雑把に)
わかっているのは、 国土面積。
* 日本の国土面積: 約 378,000 平方km
その中で、電柱があまり無いであろう森林や山地を除いてみる。
* 日本の約 70% は森林や山地
ということで、電柱がある面積は、全体の30%と仮定してみる。
* 利用可能地の面積: 378,000平方㎞×0.3=約 113,400平方㎞
次に 電柱の密度(利用可能地)を仮定する。
* 都市部(高密度)は、1平方㎞あたり、平均 150 本の電柱があると仮定。
(道路網が発達しており、電柱間隔が 30m~ 40m 程度)
* 地方/農地(低密度)は、1 平方km あたり、平均 50 本の電柱があると仮定。
都市部と地方は、大雑把に50%ずつと考えてみる。
* 各エリアの面積: 113,400 平方km ÷ 2 =約 56,700 平方km
これだけ揃うと、電柱の数が計算で出せる。
* 都市部の電柱数: 56,700 平方km× 150本/平方km=約 8,505,000 本
* 地方/農地の電柱数: 56,700 平方km× 50本/平方km=約 2,835,000 本
合計: 8,505,000 + 2,835,000 = 11,340,000 本
このように、分かっているデータを利用して、大雑把な値を導き出すことができるのである。
実際に公的機関が発表している値は、約 35,000,000 本です。
「全然違うじゃないか!」と思われることでしょう。
それもそうです。
都市部と地方を50%ずつに分けてみたり、電柱の間隔を適当な数値を当て嵌めて出しているからです。
しかしながら、他の推定(例えば、日本全国の道路総距離など)を利用して出した本数などを合わせてみると、もう少し近づいた数値になるのです。
大切なのは、正確な本数を導き出すことではなく、論理的な考えに基づいて導き出すことが出来るということです。
この、「不可能」と思われていることを、推定をしながら「可能」にもっていくことなのです。
もちろん、ある程度の信憑性は必要です。
このフェルミ推定を使って、様々な数値を推定してみる様々な例題があります。
シカゴのピアノ調教師の人数
日本のラーメン屋の数
日本の飼い猫の総数
こういった、正確さよりもプロセスを重要視した訓練をしてみると、論理的な思考ができるようになります。
コンサル業では問題解決をするのに、様々な仮説を立てて実証(確かめる)したり、推定したりして、原因を絞り込んでいきます。
もちろん、最終的には信憑性のある数値を導き出すのですが、大雑把な予測を立てることは重要なのです。
コンサル業でなくとも、皆さんの日頃の仕事のやり方として、ある程度の目星を付けながら、どれくらいの日数でできるか?や、費用の概算を出してみたりしているはずです。
仕事にとりかかる前に、こういった全体を掴んでイメージしてみることが、仕事を効率的に遂行するのに役立ちます。
日頃から、疑問に思ったことを推定してみたり、仮説を立てたりして遊んでみてはいかがでしょうか?
