2023年に行われたワールドベースボールクラシック(WBC)で、日本が優勝したことを思い出してください。
栗山監督采配の元、大谷翔平選手、ダルビッシュ有選手というスーパースターが揃い、ドラマのような優勝を飾りました。
その際に有名になったのが、栗山監督の采配。 栗山監督は、以前より三原名将の手記を読んでおり、ゲームの采配に対して大いに参考としていたのでした。
その手法というのが、「遠心力野球」。
選手に役割を与え、徹底的に信じ切って自由に働かせるというものです。
これまでは、「求心力野球」という正反対の選手を徹底的に管理して指示通り動かすというのが主流でした。
こういった2023年WBC優勝をきっかけに、役割を与えて信じて任せるという手法が、ビジネスの世界においても流行しました。
この「役割」というのは、言い換えると「使命」であったり、「Mission」と言えます。
職場に於いても、Missionを与えて信じて任せるということです。
そのMissionを遂行するにあたり、「何をすべきか?」については、与えられた側が考えるのです。
「こうしろ」「ああしろ」といった指示を与えるのではなく、「使命」を与えるだけなのです。
ここで、何度も登場する大谷翔平選手の17歳の時に書いたマンダラチャートを再度見てください。
ちょっと、上から落書きをしますね。
このチャートのように、中心に目標があります。
この目標がMissionです。
その周囲に、Missionを達成するために必要な要素があります。(青枠)
これは、Misiionを与えられた側の人が考えるのです。
「何が必要か?」を、自分で考えるのです。
そしてさらに、具体的な行動(緑枠)も考えるのです。
多くの上司が、「何をする」までを部下に指示してしまうのです。
「俺の言う通りにすれば、うまくいく」という気持ちがあるのでしょう。
その場合、部下はロボットのように従うしかないのです。
これが先程の「求心力野球」にあたるのです。
次に、別の図を見てください。
これは、トヨタの問題解決手法として、私が解り易い例を提示しているものです。
目標を達成するための状態(あるべき姿)になるために、現状と比較して、どれくらい差があるのか? その差が「問題」であるというのを、解り易い例で示しています。(10㎏多いのが問題)
この図で言うと、目標がMissionであり、あるべき姿の設定や、具体的にやる事は部下が自分で考えるのです。
これは、私が人財育成のセミナーで毎度説明をしてる“サムライを育てる”ということと一致しているのです。
サムライの使命のみ提示し、どうあるべきか?、何を日頃からやるべきか?は、サムライ自身が考え、いざという時のために備えているのです。
こういう指導法によって、従業員は自ら考えて動くようになります。
これをトヨタでは、「考動」と呼んでいます。
従業員が全員自ら考え動くというのは、自立であり、自律しているのです。
こういう状態になると、上司は支援をするのみです。
従業員が自ら決めた“やるべき事”について、それを実行しやすい環境を整えるのです。
時間をつくり、場を設け、そこで自由にやらせるのです。
指示をせず、支援をする。
というのは、そういうことなのです。
大切なのは、部下に役割(Mission)を与える。
そして、信じて任せる。
これをするには、実は勇気が必要です。
上司がどこまで覚悟を持って部下を信じるか。
あなたは、できますか?



